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Profile

株式会社レスポンスアビリティ 
代表取締役 足立 直樹

サステナブル経営アドバイザー。東京大学理学部、同大学院で生態学を専攻し、博士(理学)を取得。1995年から2002年までは国立環境研究所で熱帯林の研究に従事する。1999年から3年間のマレーシア森林研究所(FRIM)勤務の後、コンサルタントとして独立。2006年から株式会社レスポンスアビリティ代表取締役を務める。生物多様性の専門性を活かした持続可能なサプライチェーンの構築など、日本を代表する有名企業の事業をサステナブルにすることを支援してきた。食品会社、飲料会社、流通会社、総合商社等の調達を持続可能にするプロジェクトに数多く参画。さらに、こうした活動を通じて企業価値を高めるサステナブル・ブランディングの推進に力を入れている。2018年には拠点を東京から京都に移し、地域企業の価値創造や海外発信の支援にも力を入れている。
レスポンスアビリティの他に、一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB) 理事・事務局長、一般社団法人 日本エシカル推進協議会(JE) 理事・副会長、一般社団法人 いきもの共生事業推進協議会(ABINC)理事、サステナブル・ブランド国際会議 サステナブル・プロデューサーなども兼務する。環境省を筆頭に農水省、消費者庁等の委員を多数歴任するほか、大学等での講義も行う。

  
 

生物学者が経営コンサルタントになったわけ

 
大学院を出た後、私は国立環境研究所に職を得て、所属した研究室がマレーシアの森林研究所と共同で行っているプロジェクトに参加しました。1995年のことです。そして1999年からの3年間はマレーシアに赴任して、熱帯林の動態を解明するという仕事をしていました。すぐに世の中に役に立つことはなさそうでしたが、生き物が好きな人間にとってはたまらない仕事です。月に何度も泊まりがけで研究林に出かけ、いろいろな手掛かりをもとに熱帯林の樹の一生を調べるという研究をしていたのです。

 

熱帯の樹は高く、平均的には30mぐらい、高いものは50mもの高さがあります。高さが54mもある観測用のタワーに登り、その上から周囲の熱帯林を見回すのはとても気分のいいものです。日差しはジリジリと肌を焦がすようでしたが、樹々の頂きの上を涼しい風が吹き、時々、その中を美しい蝶がヒラヒラと飛んできたりするのです。人間の社会で何が起きていようが関係なく、巨大な樹と、そこに集まるたくさんの種類の動物、鳥、虫などが、太古の昔からまったく変わらない生活を繰り返していました。
しかし、その森のちょっと向こうには、オイルパームのプランテーションがもうすぐ近くまで迫って来ていました。私たちが研究していた林は保護林なので、それが切られることはなさそうですが、もう周囲はすっかりプランテーションに囲まれていたのです。
私たちは「天然林」を研究しているつもりでしたが、よく考えてみると、もはやそれはガラスの展示ケースに入れられた標本のようなものなのかもしれません。たしかにその時、私の目の前にあったのは天然の林ではあったのですが、それはもはや不完全なものでしかなく、その次の世代は育たないものかもしれないのです。
たとえすぐに社会に役立つ結果は出なかったとしても、基礎研究は重要です。そういった無数の基礎研究の集積が、今の科学技術、そして私たちの豊かで便利な社会を支えているのです。
そのまま熱帯林の研究を続ければ、30数年後、私が研究所を退職するまでには、いくつか熱帯林の秘密も解明できたかもしれません。それは科学の進歩のためには、とても小さなものでしょうが、多少の貢献にはなったかもしれません。
「熱帯林のしくみが以前より少しわかるようになりました。熱帯林は、こんな素晴らしい特徴を持っていたのです!」研究所を去るときに私がこんな話をできたとしても、もしその時に「でも…そんな熱帯林はもうほとんどなくなってしまいまいた。わずかに残っているのは、私たちが研究してきた保護林だけです。」ということも言わなくてはならないとしたら、それはあまりにも皮肉なことです。
実際、マレーシアの森林は、わずか100年の間にほぼ半分になってしまったのです。今から100年前には、国土のほぼすべてが密な森林に覆われていたのに、私が研究をしていた頃には、もうそれが半分近くにまで減っていたのです。もちろんその速度は時代を経るにつれ、加速していました。
私がもともと研究者になったのは、生きものや自然を見ているのが好きで、それを後世に伝えることに少しでも役に立ちたいと思ったからでした。科学的な知見が増えれば、保護も効果的、効率的にできるだろうと考えたのです。
もちろんそういう側面もあるのですが、現実の開発や自然破壊の速度は、想像を絶するものでした。自分たちを支える基盤そのものをどんどん切り崩している現場を、見てしまったのです。研究をして、知見を増やしてから保護に取りかかれば良いわけではないことは明らかでした。
そして、こうした自然の開発や環境への負荷のもっとも大きな接点になっているのが企業でした。企業だけが悪いとは思いませんが、企業の力は巨大で、その影響力はとてつもないところにまで及んでいるのです。そのやり方を変えなくては、早晩、企業活動も続かなくなってしまうでしょう。
しかし、同時に希望もありました。どんな企業も、自然を破壊したくて、開発をしたり、事業を拡大しているわけではないのです。人々の生活を便利に、豊かに、楽しいものにするために、そのためにすべての企業は努力してきたはずです。
だとすれば、私たちはみな同じ方向を向いているということです。真に豊かで、安心してくらせる社会、つまり持続可能な社会を実現することこそが私たちすべての共通のゴールであり、その点では誰もが同意できるはずです。ただ、やり方を十分に注意しなくてはいけないということなのです。
2002年の春にマレーシアへの赴任期間を終えるとき、私は決めました。森から出て、街に出よう。そして、企業といっしょに仕事をしようと思ったのです。美しく豊かな自然を共存できるビジネスのやり方が必ずあるはずだ。それを実現する企業を増やすことを仕事にしようと思ったのです。
ですから私の中では、生態学の研究と、企業へのコンサルティングを行うことはなんの違和感もなくつながっています。豊かで、美しく、そして驚きに満ちた大自然。その懐に抱かれて、豊かで安心してくらせる社会。そんな社会の中で人々の生活を豊かに楽しいものにしたい。そのような思いの企業の方々と、これからも共通のゴールを目指して歩き続けたいと思います。
 

01. 出版物

レスポンスアビリティ代表の足立直樹が執筆した本のご紹介です。
生物多様性とは何か? なぜ企業が生物多様性に取組む必要があるのか? 具体的に何をすれば良いのか?
一冊にすべてをまとめた決定版。

 
生物多様性を理解したい企業人はまずこれをお読みください。
 

もっと詳しく!
足立代表に聞いてみた!

Qコンサルタントに相談するのは、どんなメリットがあるのですか? 社内でできることはなるべく社内でやりたいと思うのですが…

コンサルタントは一般に外部の専門家と認識されます。もちろんその通りで、ですので、専門分野のことをご相談いただければ、専門知識やその分野での経験に基づいた的確なアドバイスが可能です。同じことを社内で行うためには、そうした専門家を雇うか、相当な時間をかけて育てる必要があります。
けれども私は、コンサルタントにはそれよりさらに大切な役目があると考えています。それは、社外の視点で考え、発言することです。すなわち、社内の常識や事情、先入観に囚われず、不都合なことも含めて考えたり、指摘できるので、結果的に本質的な問題解決が早くできる場合が多いと思います。
他にもいろいろなメリットがありますが、絶対に社内だけでできないと申し上げるつもりはありません。ただ、コンサルタントに相談した方が早く、容易に問題が解決することが多いと思います。

Q経営者がコンサルタントに相談することにはどんな意味がありますか?

経営者と実務担当者では、相談の内容や性格が異なってくることがよくあります。実務担当者は一般にHow、つまりどうやって問題を解決するかに興味があることが多いようです。
これに対して経営者の方からは、何が問題なのか、問題をどう捉えるのか、長期的にどのように考えるべきなのか、と言ったことをご相談いただくことが多くなります。すなわち経営者の方にとっては、コンサルタントに相談することで、その専門的知識と経験を参考にしながら、より遠い将来を見やすくする効果があると言えるでしょう。

Q生物多様性とビジネスが結びつくと思ったのはいつですか? なんでですか?

マレーシアで研究者をしているときに、ビジネスが原因で生物多様性がものすごい勢いで破壊される現場を目撃しました。もちろん企業人は生物や生態系を破壊したいわけではない、つまり悪気があるわけでもないということもよく分かりました。であれば、一緒により良いやり方に変えて行けばいいと思ったのです。「生態学者が経営コンサルタントになったわけ」

 
 

Q大切にしていることはなんですか?

本質的、本気、そして本物です。日本には自然や文化など、固有の美しいものがたくさんあります。その本物を本気で守り続けたいと思います。そのためには、何が本質なのかを見極めることが大切だと考えています。詳しくはこちら(→リンク先「RAI’s Values」)

 

Q座右の銘はなんですか?
A「一生たかだか七万食」

自分で作ったのですが 「一生たかだか七万食」です。食べることが好きなので、一食一食を大切にしていこうという思いがあります。なので、「一期一会」(古田織部のお茶を習っています)という言葉も好きですし、「人間万事塞翁が馬」も大切にしています。

 

Qなぜ京都なのですか?

もともとはずっと東京で仕事をしていました。もちろん東京は仕事をする上では便利ですし、大変刺激的です。けれども国際会議などでいろいろな国の方と話をすると、世界の人が注目する「日本」は、必ずしも東京的な部分ではなく、もっと日本に固有の文化であったり、スタイルであると気づきました。そうした日本らしい部分を自分でもっと体感し、勉強したいという気持ち、そしてそこから温故知新的に今の時代に役立つ視点を見つけることができるのではないかと考え、2018年春に思い切って東京から京都に移転しました

 
 

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