2015年8月21日
持続可能性

なぜ私たちの生活は苦しいままなのか? その原因は○○にあった!

31da9e3caff6404497f53a6b0cce66a8_m

 人生でもっとも高い買い物は家、そして自動車、生命保険… などとよく言われます。

 とくに家について言えば、毎月の住宅ローンの返済が苦しいとか、何らかの原因で収入が減ったとたんに返済ができなくなってしまい… というような話をよく聴きます。

 3500万円の家を買ったつもりでも、利子を考えると総支払い額はその倍近く。それを30年以上にわたって返済するのですから、たしかに気が遠くなります。そして、職を失ったり、勤め先が傾いたりすれば、一大事です。来月の支払いはどうしようとなりますよね。

失業率が高い国ではどうしているのか?

 しかし、考えてみると日本の失業率は3.6%程度と世界的に見てもかなり低い水準です。先進国でも5~6%の失業率は普通ですし、今年話題のギリシャにいたっては26.5%です。

 さすがにそのぐらいになると普通にはやっていけないと思いますが、スペインも24.5%、ポルトガルは13.9%とEUの中でもかなり高い国があります。そんな国の人たちはどうしているんだろう? そう不思議にならないでしょうか。

 失業率が現在12.8%とかなり高いイタリアに駐在中に、そういう疑問を思った方がいました。岡本久人さんです。

 「この国は失業率が日本よりはるかに高いはずなのに、住宅ローンの支払いで困ったという話はあまり聞かないし、そもそも収入だってずっと低いはずだ。イタリアでは、うちのアパートの門番まで毎夏一カ月のバカンスに出かける。一体どうなっているんだろう!?」

ゆとりある暮らしの秘密はここにあった!

 そう不思議に思って調べてみると… 要は、イタリア人の多くは、住宅ローンなんて抱えていなかったんですね。なぜか? 自分の親や、そのまた親から受け継いだ家に住んでいるからです。いえ、実は家だけではないんです。家具も、食器も、ほとんど買わずに済みます。なので、自分たちで買わなくていけないのは、食品など、本当に消耗するものだけで済むのです。(もちろん余裕がある方は、新しいものを買う場合もあるでしょう)

 なので、見かけの収入よりは平均的な日本人よりもずっと少なくても、実質的な余裕は日本人よりはるかにあるのですね。以下の図を見ていただければ、一目瞭然です(図出典:次世代システム研究会)。

 日本人の支出の中でも、特に大きいのが住宅です。というのも、日本では住宅の平均寿命は30年程度ですが、海外ではその倍どころか、100年以上の家に住んでいることもまったく珍しくないからです。

 30年ということは、ちょうど一世代です。つまり私たちは、家を買うために働いて、定年を迎えた頃にはまたそれを立て替えてきたのです。いつまで経っても楽にならないのは当たり前ですよね。

住宅を使い捨てにする国

 実はこのような家をも「使い捨て」にするようなやり方、つまりフローを大きくする経済は、急速に経済を成長させるためには効果的でした。住宅だけでなく、あらゆるモノがどんどん使い捨てられ、新たに購入されれば経済は活性化し、企業はもうかり、給料は上がり、上がった給料でまた新しいモノを買えて… こういう「フロー型社会」を作って、戦後の日本は復興し、経済力をつけてきたのです。

 しかし、もちろんこのサイクルが無限に続くわけはありませんし、そもそも環境にとっては最悪のやり方です。持続不可能性を高めているようなものです。

 一方で、家などのストックを大切にすれば、フローは最小限で住むのでより持続可能ですし、そもそも住宅ローンのことなど心配せずに、安心な生活ができるわけです。これが「ストック型社会」です。

ストック型社会になるためには…

 四半世紀前のバブル崩壊後、フロー型社会からストック型社会への切り替えが日本の課題となったはずなのですが、未だなかなかマインドセットが変わっていない、変えられないのかなとも思います。こういう視点を持たない限りは、結局いつまでもローンのために働き続けるようなものですから。

 「でも、そうなったら経済はどうなるんだ?」、「会社はつぶれてしまうじゃないか?」 おっしゃるとおり、今までのビジネスモデルではうまくいかなくなります。そもそも、もう住宅も、車も、家電も、昔のようには売れなくなっているし、売れても利幅は小さくなってきているではないですか。だから持続可能なビジネスを考え、シフトする必要があるんですね。

 ちなみに岡本さんは、日本に戻られてから「ストック型社会」の考え方を深め、普及するために次世代システム研究会を立ち上げられました。現在は北九州市が活動の中心ですが、以前は東京でも勉強会をしていたので、私もときどき参加して、一緒に本も書きました。

 ストック型社会についてもっと詳しく知りたい方は、まずは岡本さんの「ストック型社会論について」や次世代システム研究会のサイトをご覧いただき、また、最近できた以下のビデオも参考になさってください。

この記事が気に入ったら、ぜひシェアをお願いいたします。↓
「いいね」も嬉しいのですが、シェアしていただくと、この考えがもっと多くの人に広がります。

「本物のCSR」情報メルマガ

初心者にもベテランにも役立つ
「本物のCSR」情報を無料でお届けします