2015年7月14日
月の便り

あなたが見ている景色はどっちですか?

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 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

 出張や旅行でふだんとは違うところに出かけると、あぁ、こんなところがあったんだなぁと思ったり、そうか、こんな風に変化しているんだなと感じたり、いろいろな発見があります。

 しかし、出張者や旅行者などが短時間に垣間見ることができることは限られています。ましてや海外となれば言葉の壁もありますし、とうていすべてを見たり理解することはできません。

 それでもせっかく知らない土地に出かけたら、なるべくその土地の空気を吸い、その土地で生活している方々の様子を見るために、私はちょっとした裏通りに入ったり、市場に行ったりします。

 食事もそうです。おいしいと評判のレストランが外せないのはもちろんなのですが(笑)、朝御飯や昼食は、路地裏の地元の食堂に入ったり、屋台で小腹を満たすのも大好きです。

 もちろんそれでその土地のことがみんなわかるわけではありませんが、少なくとも表の表情だけでない、もっといろいろな側面があることは想像できます。そして何より、環境や社会の課題、つまりその土地のCSRのアジェンダは、そんな普段の景色の中にこそ発見することができるからです。

 以下は、昨年11月に上海を訪れた直後に、そんな思いを胸にメルマガに書いた文章です。

 《月の便り》

「表の景色と裏の景色」

            サステナビリティプランナー 足立直樹

 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

 先週後半、上海に出かけて来ました。訪れる度に車が増え、より
高いビルができているように感じます。

 ビジネスやショッピングの中心街を歩くと、海外の有名ブランド
の巨大な路面店が軒を連ね、小ぎれいな格好をした人々が闊歩し、
広い道路にはピカピカの車が溢れています。もはや東京など目では
なく、ニューヨークあたりに来たかと錯覚するほどです。

 勢いのあるところに、お金も人も流れてくるのだなということを
感ぜずには要られません。GDPの成長率が少しぐらい落ちたとし
ても、不動産バブルがはじけそうだという話も、そんなことは物と
もしないような勢いに溢れています。こういう感覚は、やはり実際
にその場に行ってみないとわかりませんね。

 夕食をご一緒してくれた日本企業の駐在員の方は、日本では中国
のネガティブな面ばかり報道されがちだが、実際にそこでビジネス
をしていると圧倒的なポテンシャルを感じると熱く語ってください
ました。

 経済成長率が若干落ちたとは言っても、日本よりははるかに高い
のです。そもそもGDPは既に日本の約2倍です。それが、日本より
はるかに高い速度で成長しているということは、ますます差は開い
ていくということです。「成長率だけではなく、この巨大な絶対値
を見ないと誤解する」という指摘には、なるほどと思いました。街
の様子を見ても、まさしくその通りです。

路地裏で朝御飯を食べると…

 翌朝は、ホテルで超高価な朝食を取るのはよして、代わりにホテ
ル裏手の古い街並みに出かけてみました。きっとそちらの方が圧倒
的に安くておいしい朝御飯にありつけるに違いないと思ったからで
す。

 その読みは正解で、以前よりはかなり値上がりしていたものの、
それでもまだ日本よりははるかに安い価格で、中国らしい朝食を楽
しむことができました。

 しかしそれよりもびっくりしたことは、その裏手には、10年
前、いや20年前に見たのと同じような中国の風景がまだ残ってい
たことです。まさか上海の中に、まだこんな光景が残っているなん
てと、ちょっと信じられない思いがしました。まるで遠い過去にタ
イムスリップした感覚です。

その土地の課題を発見するには…

 その後で、再び中心街に出かけた際に注意深く見てみると、表通
りこそきらびやかですが、その裏手に少し入り込むと、案外古い街
並みと昔ながらの生活が残っているのでした。

 つまり、私がこの数年見て驚いていたのは、あくまで表通りの一
番華やかな部分の変化で、その裏ではどっこい昔の風景が連綿と続
いていたというわけです。

 実際には、大きく変化した華やかな表の顔も、ほとんど変わるこ
とがない昔からの表情も、両方とも今の中国です。よく知っている
方からすれば笑い話でしょうが、慌ただしい出張で、用事がある場
所だけ訪れていると、ごく一部しか見ていないということですね。
そして、実はそのよく見えない方に、CSRの課題もあることが多
いのです。

 現場に出かけないとわからない。でも、だからと言って、すべて
を見ることができるわけでもない。あたり前と言えばあたり前のこ
とですが、それを身をもって経験し、また反省することになりまし
た。

 さて、それでは中国の最近のCSRの事情はどうだったかという
と… それは、あなた自身が実際に現場をご覧になって考えること
をお勧めします! その社会のことをよく知ることが、成功する
CSRへの第一歩なのですから。
 
 
初出:2014年11月20日発行 サステナブルCSRレター No.204

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