2015年9月16日
アジアのCSR

すべては1台のコンピュータから始まった

 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。AFCSRの話をもう少し続けさせてください。

 今回は社会起業家がテーマだったので、実際にアジア各地から様々な社会起業家が集まりました。その中でちょっと気になった若者を今回はご紹介したいと思います。

 インドネシアのハンドリヤディ・バティアル(Hendriyadi Bahtiar)さん(トップの写真)はまだ20代後半の若さですが、故郷のセラヤール島(Selayar Island)の子どもや女性を支援し、地域の貧困を解決すべく、サハバ・プラウ(Sahabat Pulau)という組織を立ち上げたのです。

離島の貧困をなくすためにしたことは?

 セラヤール島というのは、スンダ列島、スラウェシ島の南にある小さな島で、彼が住んでいる村は住民5000人で、多くの住民は漁業と農業で生計を立てています。

 しかし、魚や野菜を取って売るだけでは大した収入にならず、村人の平均収入は一日1ドル程度であったといいます。ちょうど世界的な貧困線にあたり、当然、生活葉楽ではありません。

 ジャカルタの大学で勉強したハンドリヤディさんは、そこで得た知識やネットワークを故郷のために役立てようと、ジャカルタでの仕事を蹴って島に戻り、サハバ・プラウを立ち上げたのです。

 島のまわりには魚はたくさんいるのですが、今まではたくさん獲っても余らせ、腐らせてしまうだけでした。また村の女性は仕事らしい仕事はしていませんでした。この二つに目を付けたハンドリヤディさんは、魚を調理してインドネシア独特のデンブのようなものを作り、きれいにパッケージし、インドネシア国内での流通ルートを開拓したのです。そしてこのことにより、一人が一日3~5ドル程度の収入が得られるようになったのです!

 文章で説明するより見た方がわかりやすいと思いますので、どうぞ以下の動画をご覧ください。

 これだけで十分にすごい話だということがわかっていただけると思いますが、私が興味を持ったのは、ハンドリヤディさんの個人的なストーリーです。

バンコクまで15時間! 日本より遠い島で始まった物語

 最初にも書いたように、彼が住んでいる島はスラウェシ島の南にあります。南スラウェシ州の州都であり、インドネシア第7の都市であるマカッサルまで、フェリーでなんと8時間もかかるのだそうです!
 

 マカッサルからジャカルタまで飛行機では2.5時間、なので今回バンコクでのフォーラムに参加するため、15時間以上かかったといいます。日本からバンコクまでのフライトは6時間、自宅からホテルまでドアtoドアでも10時間ぐらいですから、時間的にはそれよりも「遠い」ことになります。

 いまはITを駆使して活動をしているハンドリヤディですが、高校3年生になるまでコンピュータに触れたことはなかったそうです。高校生最後の年になって学校に1台コンピュータが導入され、そこではじめてインターネットも使ったそうです。

 当時はWordやExcelを使えたわけではなく、Googleで検索するだけ。しかも全校に1台のコンピュータ。長~い列が出来て、交代で使えるのはせいぜい十分程度。そこから一体どのように彼のストーリーは始まったのでしょうか?

 そこで何が起きたのかは、以下の動画で直接彼の口からお聞きください。

 この続きは次回…

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