2015年6月22日
持続可能性

持続可能?、それとも持続不可能?

GalaxyHotelLobby

 先週は、International CSR Summitというベタな名前のイベントに呼ばれて、マカオに行ってきました。マカオには数年前に一度プライベートで出かけたことがあって、世界遺産にもなっているポルトガル時代のエキゾチックな街並みや、カジノが成長中、そのぐらいの認識しかありませんでした。そもそも面積が30平方キロにも満たないとても小さな島ですしね。

 でも、今回はかなり衝撃を受けました。海上には中国本土とつながる長~い橋ができ、巨大なホテルがバンバン出来て、もう完全に未来都市の風景です。

 特に今回のイベントの会場は、ギャラクシーと名前も派手ですが、中身もド派手でです。カジノを中心に、リッツ・カールトン、JWマリオット、バンヤンツリー、オークラ、そしてギャラクシーという高級ホテルが一つのコンプレックスの中でつながっていて、もう広すぎてなんかよくわかりません(笑) 建物のメインの入り口についてから、自分が泊まるホテルのレセプションまで、コンプレクスの中を5分以上歩いたと思います。

 で、今回主催者が用意してくれていたのはギャラクシーホテルだったのですが、そのロビーが冒頭に掲げた写真です。たぶん、一辺が50mぐらいはありそうな巨大な空間の真ん中に吹き抜けの天井まで連なる巨大な噴水。ここで毎30分ごとに、光と音の大スペクタルショーが… いや、ほんとマジですか? そこまでやりますか? そういう感じです。

 新しくできた巨大で一見豪華なホテルの場合、実は表側だけ立派なハリボテであることが多いのですが、ここの場合、廊下はすべて(おそらく)天然の大理石の象嵌で敷き詰められていたりして、間違いなくとてつもないお金がかけられています。

 客室も同様に、浴室はすべて天然石のパネルが精密に組み上げられていて、贅沢に作り込まれています。しかもその客室が、ギャラクシーホテルだけで1400室だそうです。

 見たところお客さんは9割がた、中国本土からのようです。日本人はほんのチラホラ見かける程度で、飛び交っている言葉はほとんど中国語です。

 肝心のカジノはというと… 中国の倹約令の影響で、お客さんが激減したそうですが、それでも朝から晩までそこそこ人がいて、皆さん熱心にギャンブルをなさっています(^^;)

 一体、どれだけエネルギーを使っているのか、どれだけ無駄なことをしているのか… ついついそういうことを考え、そしてその次に、こんなにラグジュアリーにやられては、とても地球ももたないな、げに恐ろしきは経済の力… と思ってしまいます。

贅沢なだけでは無理だとわかってきた?

 ただ、それでも興味深いのは、こういうラグジュアリーなホテルであっても、最近は客室には必ず、タオルを複数回使うことを勧めたり、不要な電気を消したり、冷房の温度設定を上げたり、そういうことを勧める掲示があります。そしてそれが見せかけだけでないことに、「ベッドリネンは申し出がなければ交換しません」という掲示が小さくあって、実際二泊目はベッドメイクはしてあっても、リネンは交換していないようでした。そもそも小さな島ですし、環境負荷を減らす取り組みはせざるを得ないのでしょう。

 そしてさらに興味深かったのは… イベントの始めにマカオ貿易投資促進局のアイリーン・ラオさんという広報マネージャーの方から歓迎の挨拶があったのですが、ここでサステナビリティの話をするわけです。

 もちろんこういうイベントなのでリップサービスというのもあるでしょうが、持続可能性を考えるのは物理的にも、また社会トレンド的にも、外せないことを理解しており、それをきちんと自分たちの計画の中に折り込んでいるということでしょう。

 細かい数字は忘れてしまったのですが、これから数年の間にさらに数十のホテルができるということで、本当に大丈夫なのかなとも思ってしまいますが… きちんと出口戦略も考えているようで、こうした施設を使って、これからは観光客だけでなく、会議やイベントの開催に力を入れていくとのこと。いわゆるMICE (Meetings, Incentive tours, Conferences and Exhibitions) ですね。

 普通はこういう挨拶は型どおりのものであることが多いわけですが、このマネージャーは、いかにマカオの将来が明るいものであるかを、しっかりと自分の言葉でアピールしていることが印象的でした。こういう話を聞くと、きっとこれは口先だけではなくて、きっと本気で実行するんだろうなということも伝わってきます。(もちろん本当のところは数字で検証する必要がありますが…)

この勢いをどう使うのか?

 こういうところでいつも感じるのは、今までと同じところにしがみついていようという気持ちがまったく感じられないことです。とにかく前に動いていくんだ。必要なことは、難しくてもなんでもやるんだ。そういう意気込みです。

 正直言って、単に規模や豪華さを追いかけるだけの「発展」であれば、持続不可能な方向に突進するだけであり、非常な危機感を感じます。

 しかし、トレンドであれ、ファッションであれ、「持続可能」という言葉は既にかなりインプットされています。それをきちんと踏まえた上でこの突進力を使えば… そこに出口があるのかもしれないという希望も感じます。

 少なくとも、今までのやり方、今までのあり方の上をぐるぐる回っているだけでは、持続可能はやってこないのですから。

 こちらのイベントの中身については、次の記事をお楽しみに…

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