2015年7月9日
CSRファイル

牛肉だって持続可能になれる!?

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 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

 このブログをお読みいただいている方であれば、農業の環境負荷が必ずしも低くないことはご存じだと思います。

 実際、アマゾンの熱帯林破壊の原因の65~70%は牧畜(牛)が原因であり、さらにはその飼料である大豆の生産も森林破壊の原因となっているとの調査結果があります。

 そして今のままの状態が続けば、アマゾンの森林は40%が失われ、382種類の哺乳類の4分の1が生息地を失うという科学的な予測もあります(Nature, 440:520-523, 2006)。

 産業ごとの環境負荷に関する世界的な調査でも、牧畜はもっとも負荷の高い産業の一つになっています(Natucal Capital at Risk, 2013)。

ハンバーガーは環境破壊の元凶!?

 そしてこの牛肉はどこに行くのか… ということで、いつもやり玉に上がるのがハンバーガーなどのファストフード・チェーンです。ハンバーガーを食べることは、アマゾンの熱帯林を破壊することだ、という批判もるぐらいです。

 これはハンバーガー・チェーンの評判を傷つけるだけでなく、実際にこのようなやり方を続けていては、ビジネスそのものも続かなくなってしまいます。

 そこで、大手ハンバーガー・チェーンのマクドナルド社などが中心となり、「持続可能な牛肉」の原則と基準を作り、運用を開始しました。

 ファストフードだから持続可能ではない、ファストフードには無理、そんなことは言えない時代が近づいてきたようです。詳しくは、以下のレポートをお読みください。

《CSRファイル》#008

「持続可能な牛肉の世界基準」

               レスポンスアビリティ  武末克久

 また1つ、持続可能な原材料の世界基準が誕生しました。今回は
牛肉です。

 2014年11月3日、持続可能な牛肉の基準の開発を進めてきた
Global Roundtable for Sustainable Beef(GRSB)が、持続可能
な牛肉の原則と基準を定めました。

 GRSBは、牛肉に関わる世界の生産者、加工業者、流通業者、小
売・販売業者、NGOなどの60近い組織の集まりで、牛肉による環
境的、社会的な影響を最小化することを目指しています。2012年
に設立されてから3年近い時間をかけて、今回の原則と基準の策定
に至りました。

 今回作成された文書は、1) 自然資源、2) 人とコミュニティ、3)
動物の健康と福祉、4) 食料、5) 効率とイノベーションの5つの原
則からなります。この原則のもと、森林をはじめとする生態系の保
全や水の適切な管理、人権の尊重、労働安全衛生の確保、製品の安
全性、資源の効率的な利用などを定めた36の基準が設けられてい
ます。

 牛肉については、牛の放牧地のためにアマゾンの森林が開発され
ていることが問題になっています。また、牛の餌に穀物を利用する
ため、穀物の栽培による間接的な環境負荷も無視できません。持続
可能な牛肉は、このような環境問題をはじめ、牛肉に関わるサプラ
イチェーンでの人権、労働安全衛生などの社会的問題も適切に管理
されている牛肉というわけです。

 今回は基準ができただけで、認証制度が整備されたわけではあり
ません。ですので、すぐに持続可能であることを第三者が認証した
牛肉が市場に出ることはありませんが、それが大きく現実に近づい
たことは確かです。

ファストフードも頑張ってます

 この動きをリードしている企業の1つにマクドナルドがありま
す。マクドナルドは、2016年までに持続可能な牛肉を製品に使用
するという目標を掲げていますが、今回基準ができたことで、目標
達成に向けて大きく前進したことになります。

 実は、マクドナルドがフィレオフィッシュに使う白身魚のすべて
が、持続可能性が確認されたものだそうです。牛肉がこれに加われ
ば、持続可能な原材料で作られたバーガーの品揃えがぐんと広がり
ます。ファーストフード店にこのような製品が並ぶようになるこ
ろ、私たちが暮らす社会はどのようになっているのでしょうか?
持続可能性を謳った製品がもう当たり前になっているかもしれませ
ん。

初出:2014年11月13日発行 サステナブルCSRレター No.203

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