2015年1月5日
本物のCSR

あなたの仕事の原点は何ですか?

UbudForest

 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

 今日から仕事始めの方も多いと思います。きっと思いを新たに、新鮮な気持ちで仕事をスタートされたことでしょう。

 そして誰もがお正月には「今年は…」とか、「今年こそ!」とか、様々な決意をなさったのではないかと思います。

 私もその例に漏れず(笑)、お正月には今年の計画を立てたりしました。そしてそのときに考えたのは、自分はなぜこの仕事をしているのか何を究極の目的にしているか、ということでした。きちんとわかっているつもりでいても、普段はなかなか考えませんからね。

 実はこの年末年始は、年末まで仕事があったこともあり、インドネシアで過ごしました。仕事を終えてからバリ島の山間部に移動したのですが、ムワッと感じるのは温度と湿度が高いからだけではなく、命の密度が濃いからのような気がします。熱帯の森を見ていると、いつもそのような圧倒的な生命力を感じるのです。日本風に言えば、「もののけ」の気配がするのです。

 夜になると、生命感はさらに濃密になります。暗闇の中ですから目では見えないのですが、あきらかにそこかしこに生命がうごめいていることを感じるのです。建物の中にいても大きな鳴き声をあげながらゲッコー(ヤモリの仲間)が走り廻っているのがわかります。そこは人間ではなく、むしろ彼らの世界なのです。

 少しだけ森の中を歩いたり、ボートで川を下ったりしたのですが、そこでもまた強烈な懐かしさが湧き上がってきます。30m以上幹がすらっと伸びた背の高い樹々、そして木性の巨大なシダ。10m以上も上の枝から川面に垂れる蔓。河岸の崖の斜面の岩肌を勢いよく流れ落ちる水と、その中で力強く葉を拡げる巨大な草本たち。そして木の上からはキーンというセミの鳴き声。

 あぁ、これ、これ。この感じだよなと本当に懐かしくなりました。十年ちょっと前までは、こういうところが私の職場だったからです。

 当時の仕事は植物生態学の研究者でしたから、森に入ってデータを取るのが仕事だったのです。調査中は一日中、こうした濃密な生きものの気配に囲まれて仕事をしていたのです。

 そんなことを思い出すうちにつくづく感じたのは、今自分がこの仕事をしているのは、やはり十数年前の気持ちからなんだ、ということです。

 何十億年もかけて出来たこの生きものの世界が、凄まじい勢いで破壊されていくことを、ただ静観することには我慢できなかったのです。それがいい、悪いということではなく、あまりに暴力的であることと、あまりにもったいないことに、直感的にこれはやり過ぎだろうと思ったのです。

 研究者を続けていれば、生きものたちの世界をより詳しく知ることはできます。しかし。その生きものがいなくなってしまったら… それでは意味がないとそのとき強く感じました。

 かと言って、ただ「自然を破壊するな」と言っても効果がないことはわかっていました。誰も、壊したくて壊しているわけではないからです。必要に迫られて、私たち人間の生活のために開発しているのですから。

 それをどう両立させるのか。それには、もっとも影響力がある企業セクターと一緒にやっていくしかない。それが私の出発点であり、その考え方は今でも変わっていません。というよりも、企業が果たす積極的な役割は、10年前とは比べられないほど大きなものになっています。

 しかし、まだまだ開発の速度は加速しており、影響は拡大しています。自分の力の小ささ、影響力のなさに嘆息することばかりです。

 それでも久しぶりにこの景色を見て、濃密な生きものの気配に包まれて思い出したのです。やはり、自分はこのために仕事をしているんだと。この景色を、この生きものたちをなるべく傷つけずに、少しでも多く次の世代に手渡すために、ビジネスのやり方、社会のあり方を変革することが使命であり、ゴールなのだと改めて感じました。

 行くまでは、自然の中で少しのんびりするか、とぐらいしかた考えていなかったのですが、なぜか自分の原点を思い出す旅になりました。そしてあらためて原点を強く意識したことは、きっともっと頑張れという天からのメッセージだったのでしょう。

 はじめて話を聞く方は、何を一人で興奮しているのかと、わけがわからず困惑されるかもしれませんよね。でも、あの生きものの濃密感を感じたら、あぁこれか!と分かってくださるでしょうし、その中でゆっくりと話ができれば、すべてのことがつながっていることがご理解いただけると思います。

 いつかまた、日本のCSR関係者の方々も、お連れしたいと思います。そのときには、ぜひあなたもご参加ください。
 
 
 さて自分のことばかり書いてしまいましたが、あなたが年始に誓った今年の目標は、そしてその先にあるゴールは、結局は何のためなのでしょうか? そしてそのようなゴールを設定するようになった原点は何なのでしょうか? 良かったら、今度教えてくださいね。

「本物のCSR」情報メルマガ

初心者にもベテランにも役立つ
「本物のCSR」情報を無料でお届けします

コメントを残す