2015年8月5日
人権

日本の女性はもっと怒ってもいい!?

 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

 前回の記事(「2030年に向けた地球全体の目標を知っていますか?」)では、ミレニアム開発目標(MDGs)の次の世界の15年間の目標である持続可能な開発目標(SDGs)の内容がついに合意されたこと、そしてこれは途上国支援だけではなく、世界全体を持続可能にするための、世界全体で取り組むべき課題であることを強調しました。

 「私たちの世界を転換する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」の前文には「このアジェンダは、人々(people)と地球(planet)の繁栄(prosperity)のための行動計画である」と書かれており、「世界全体の平和(peace)を強化する」ものであり、そのためにも「貧困(poverty)」を根絶することが地球全体のチャレンジであり、持続可能な発展のために必要不可欠な条件であり、私たちはすべての国、すべてステークホルダーが「協働のパートナーシップ(partnership)」をもって行動していくとあります。

 people, planet, prosperity, peace, partnershipがキーワードですね。

 このことからわかるように、これは企業にとっても重要な目標なのであり、これを達成すべく、積極的な行動が求められているのです。そして実際、それが企業活動、特にCSRと非常に関係性が深いことをご理解いただくために、今日は一つ例を挙げて考えてみましょう。

ジェンダーの平等とは?

 今回取り上げたいのは、「目標 5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女子のエンパワーメントを行う」です。

 ジェンダー(gender)とは、「(社会的・文化的)性」です。つまり、女性であるということを理由に、差別をされたり、暴力を受けたり、決定やリーダーシップに参加できなかったり… その他あらゆる点において不利なことがないようにしましょう、ということです。当たり前ですよね。

 でも、本当にそうでしょうか? 私たちの社会では、本当にそうなっているでしょうか?

 考えてみれば、女性であるということが様々な障害の原因になっている、いってみれば差別を受けていることは、日本でだってまだ多そうです。会社の中でもたくさんありそうです。

 ひとつ衝撃的な図をお見せしましょう。

Please include attribution to MoveHub with this graphic.

Global Gender Pay Gap

 これは、movehub.comという、移住者のための情報を集めたサイトで提供している、”Global Gender Pay Gap Map“と呼ばれるものです。「世界の男女賃金格差地図」といったところでしょうか。

 これを見ると、欧州でも実は男女で賃金に格差があるということが分かります。EU全体では16%台であり、アメリカはこりより少し高くて17.8%、イギリスは18.2%となっています。なーんだ、みんな格差があるんじゃないかと思われたでしょうか?

日本は男女格差が世界○位!

 ところがです。日本はと見てみると…

 なんと真っ赤になっていますね。それもそのはず、日本の男女の賃金格差は27.4%もあり、世界ワースト4位なんだそうです… 日本の女性は、もっと怒った方がいいかもしれません。

 ちなみに、ワースト1位は韓国で37.5%、2位はロシアで32.1%、そしてエストニア(30.0%)、日本(27.4%)、キプロス(25.1%)、インド(24.8%)と続いています。

 それにしても、ここで4位なのは全然嬉しくありませんね。

 アジア各国はデータなしが多くて比較できないのが残念ですが、中国はアメリカより少し良い17.5%でワースト17位となっています。

 こういう格差をなくしていく、これもSDGsを達成するために必要なことです。

 ということは… やはり企業も一緒に努力していくべき目標であることがわかると思いますし、それが達成できれば、社会全体の持続可能性も上がりますね。
 
 
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