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こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。
昆虫だけに選択的に作用するとされるネオニコチノイド、もしそれが本当だとしても、人間に大いに役立つ昆虫にも作用してしまうので問題だということをお話しました。→ 「ネオニコチノイドはあなたの暮らしを脅かす! 日本の対応は?」
なぜなら、多くの野菜や果物は、花粉を媒介してくれる昆虫がいなければ、受粉して結実することがないからです。
ミツバチでは、近年、CCD(Colony Collapse Disorder, 蜂群崩壊症候群)と呼ばれる減少が多く見られ、その原因としてネオニコチノイド系農薬が疑われていますが、ミツバチの場合には人間が飼っているので気がつきやすいだけで、実際にはミツバチに限らず、ハナバチ、チョウやガ、ハナアブ、甲虫など、様々な昆虫に作用しているのでしょう。
さて、それではミツバチによる花粉媒介には、実際どの程度の「価値」があるのでしょうか? 実はこれがちょっと驚くような数値です。
ミツバチの価値は25兆円
国連環境計画(UNEP)の2011年の報告では、ハチなどの昆虫による授粉は約2040億ドル(約25兆円)相当という莫大な価値(世界の食料生産の9.5%)を推定しています。
しかし、その後ドイツの研究チームは、ハチによって授粉したイチゴの方が、他の受粉方法で結実したものよりも重く、赤く、鮮度も長く保てることを明らかにしています。
つまり、単に授粉してくれるだけではなく、質まで考えれば、これはもうとてつもない価値なのです。
いや、36兆円!
ですから、ミツバチがいなくなると、経済的損失は2650億ユーロ(約36兆円)という別の研究例もあります。
こうした数値や結果を知れば、ミツバチなどの昆虫を失うことがいかに愚かしいことか、簡単にわかるでしょう。
しかも、ネオニコチノイドは昆虫だけでなく、昆虫を食べるツバメやスズメなどの野鳥にも害があるという研究例も出てきました…
「サスナビ! 413 小さなミツバチのとてつもなく大きな役割を知っていますか?」
こういうときこそ「予防原則」
まだ完全に結論が出たわけではありませんが、こういうときにはまず予防的に行動する、そういう考え方があったはずなのですが…
「サスナビ!414 環境問題の重要キーワード「予防原則」をご存知ですか? 」
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