2014年7月23日
原材料調達

DNA鑑定の意外な使い道

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

DNA鑑定というと、あなたはどんなことを連想するでしょうか? 
親子判定? 
それとも事故の被害者の身元確認… 
もちろんそういうことでもよく使われるのですが、
もっと意外な使い方があります。

それは…

野生生物の種の特定です。
野生生物の中には外見だけでは種の特定が難しいものがよくあります。
ましてや、それが身体の一部となると… 
ほとんどの場合、よっぽどの専門家でも難しいでしょう。

なので、店頭に並んでいるものはその表示を信じるしかないわけです。
もしかしたら、お店の人も、正確な種類を知らずに売っているかもしれません。

そんな中、今回ご紹介したいのは、
環境NGOのグリーンピースによるウナギのDNA鑑定です。

ウナギのDNA鑑定をしたら…

今年、二ホンウナギが絶滅危惧種に指定されたことは記憶に新しいところですが、
実はその近縁種のヨーロッパウナギは二ホンウナギ以上に絶滅が心配される種であり、
ワシントン条約により輸出入が制限されています。
(ただし、禁止はされていません。輸出国の許可書があればOKです。)

ところが、
今回グリーンピースが国内の大手スーパー14社で
輸入ウナギの加工商品(蒲焼きでしょうね)を実際に買ってDNAを調べたところ、
表示との不一致が相当数見つかったとのことです。

詳細は、以下のページをご覧ください。
DNA検査で発覚! ウナギ流通の“闇”(グリーンピース)

この中で特に注目したいのは、2社が回答を拒否していること(しかも、そのうち1社は輸入が制限されているヨーロッパウナギを売っていました)。

また、表示と検査結果が異なることが5社であったこと(そのうち2社では、輸入が制限されているヨーロッパウナギを二ホンウナギやアメリカウナギと表示していました)。

責任ある企業であるために

これらが意図的な偽装であったのかどうか、
また意図的であったとしたら、誰が偽装を行なったのかは不明ですが、
問題があった大手スーパーは、
トレーサビリティの把握や管理体制という意味かはらお粗末と言わざるを得ません。

イオン、西友、ダイエー、イトーヨーカードーなどの超大手では
さすがに表示と検査結果の差異はありませんでしたが、
ヨーロッパウナギを販売しているところもありました。

また、たとえ二ホンウナギやアメリカウナギだったとしても、
スーパーなどがウナギを安く流通させ消費を増やしたことは、
ウナギ減少の一因になっていることは間違いないでしょう。

百歩譲って、それが直接の原因ではなかったとしても、
ここまで減少した種を大量に販売し続けることは持続可能ではありません
本物のCSRの精神には反すると言わざるを得ません。

これを機に、責任ある流通企業は、責任ある行動を取るようになることを期待したいと思います。

そして、DNA鑑定という科学的な手法で問題を明らかにした
グリーンピースは、good jobでした。

ところでこのDNA鑑定、
まだ他にも使われているのをご存知でしょうか?
そのお話しはまた次回…

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