2015年9月8日
アジアのCSR

バンコクで聞くアジアのCSR最新事情

 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。今週はタイのバンコクに出張中なのですが、メインの目的は今日、明日と開催されるAsian Forum on Corporate Social Responsibility(AFCSR)2015に参加することです。

 AFCSRは毎年秋に東南アジアの大都市で開催されるのですが、今回でなんと14回目になります。アジアでもっとも古いCSRの国際フォーラムと言っていいでしょう。バンコクでの開催は2003年、2012年に続き3回目になります。

 ご存じのようにバンコクでは先月爆弾テロ事件がありましたので、開催そのものも危ぶまれましたが、これに怯んだら犯人の思うツボ、こういう時期だからこそバンコクで開催してタイの人々を応援しようと、容疑者が逮捕される前に早々に決行が決まりました。

 もっとも今回は参加者が300名ほどと例年に比べると少なめでしたので、やはりかなり影響はあったのかもしれません。日本からの参加者は相変わらず少なく(^^;)、今年はもしかしたら私だけなのかも…

 正直、私自身もこの時期にバンコクに行くのはどうかなという気持ちもなくはなかったのですが、会場のホテルの中にいる分にはそれほど危険はないだろうし、あるセッションのモデレーターも依頼されていたので、思い切って予定どおり参加することにしました。

テーマは社会起業家

 今年のテーマは”Unleashing Social Entrepreneurship(社会起業家を解き放とう): New Partnerships for a Better World(より良い世界への新しいパートナーシップ)”ということもあり、社会起業家や社会的企業に関する講演やセッションが多くなっています。社会起業家は日本だけでなく、ここ東南アジアでも最近話題かつ人気なのです。

 基調講演は「裸足の大学」の創設者として著名なバンカー・ロイ氏(トップの写真:AFCSRサイトから)でした。詳しく知りたい方は、たとえば以下のTEDの動画を見ていただけるといいと思います。

 他にもいろいろな社会起業家の方が登壇して話をしてくれたのですが、基本的にユニークというか、ちょっと変わった考え方をする方が多いようです(笑)。でも、それは社会の常識、今までのやり方から見ると変わっているのですが、よく考えれば非常に素直で、言われてみるとむしろ今の私たちやり方の方が変わっているのかもしれない、そう思えてくることも多々ありました。

 つまり、やり方は決して一つではないということです。特にいろいろなインフラやリソースが揃っていない途上地域では、私たちが常識だと思っているやり方よりも、もっと別のやり方でやった方が効率が良いこともたくさんありそうです。

 そして、それを試してみようというフレキシビリティがあることがいいのです。もしこれが日本だったら… 既にいろいろなものがあるが故に、言下に否定されてしまいそうです。

SDGsは知られているのか?

 さて、私の今回の役割はなんだったかというと、私がモデレーターを務めたセッションも社会的企業に関するもので、タイトルは”Soial Entrepreneurship and the Challenges of Sustainable Development Goals(社会起業家精神と持続可能な開発目標のチャレンジ)”というものでした。(プログラムはこちらから)

 SDGsが国連総会で採択されるのは今月25日ですから、なかなか時宜を得た企画だな、東南アジアでもSDGsは盛り上がっているのかな、と思ったら… モデレーターの特権で会場に集まった100名ぐらいの方にSDGsを知っているか質問してみたら、ご存じの方は3割程度と案外少なくてびっくりしました。

 そんなこともあって、社会起業家精神とSDGsというよりは、社会的企業そのものについての議論に終始したのですが、それでも社会的企業に対する関心や期待が非常に高いことはよくわかりました。また、スピーカーの一人で、マレーシアの代表的な社会起業家であるKal Joffres氏は、どうしたら社会的企業を成功させられるかということを既に精緻に体系化していて驚かされました。

 まだまだ他にもいろいろな話があるのですが、続きはまた次回ということで…
 
 
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