2014年7月25日
サプライチェーン管理

マクドナルドのアキレス腱

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

昨日の記事「サステナビリティを目指すマクドナルド」では、マクドナルドが持続可能性を目指して、CSR&サステナビリティ・フレームワークを掲げたことをご紹介したばかりですが… 
日本のマクドナルドでは、チキンナゲットをかなり問題がある中国の食品会社から調達していたことが発覚して大騒ぎです。

「ほら見たことか」という声も聞こえてきそうですが… 私はむしろ逆だと思います。

国境を越えて、長く複雑なサプライチェーンを通じて事業が成り立っているからこそ、こういう問題も発生しやすいのであり、だからこそサプライチェーン全体をどう管理するかが重要な課題になるのです。
ですから、持続可能性のために、調達が重要な課題であるとして認識し、サプライヤーを巻き込んでいくことに意味があるのです。

もちろん、今回の問題は直接的には上海福喜食品というサプライヤーの問題です。サプライヤーにおける食品衛生管理がまったくなっていなかったという持続可能性以前の問題であり、CSR的に言えば、いわゆるCSR調達が機能していなかったことを露呈しています。

リスクはサプライチェーンの上にある

しかし、今回明らかになったように、サプライヤーにおける問題が、それを仕入れたブランド企業全体のビジネスを脅かしているという意味で、「リスクはサプライチェーンの上にある」ということを再度強く認識する必要があるでしょう。アキレス腱は社内ではなく、サプライヤーだったのです。

ですので、持続可能な社会と企業目指す「本物のCSR」としては、これを機に以下のことを再度お勧めしたいと思います。

1. 主要な原材料、重要な原材料については、自社のサプライチェーンを最上流まで遡る
2. サプライチェーン上のリスクを評価する
3. サプライチェーン上のリスクを管理する
4. 以上を自社ですべて行なうのが困難な場合には、信頼できる認証原材料を使う。

こうしたことをきちんと行なっていれば、少なくとも大きな問題は発生しないはずです。

ほかの会社は?

問題が発覚した上海福喜食品とは、過去を含めるとケンタッキーフライドチキン(KFC)、ピザハット、吉野家、スターバックス、セブン―イレブン、ファミリーマート、TGIフライデー、バーガーキング、ドミノピザ、イケア、サブウェーなど、日本でもよく知られている多くの有名ブランド企業が取引があったようです。

これらの有名企業が調達先として使っていながら今回のような大問題があったということを考えると、サプライチェーンのリスク管理がどうだったのか、ちょっと心配になるところです。

あなたの会社でも、どうぞ今すぐサプライヤーの管理体制を再点検してみることをお勧めします。
 
 
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