2014年7月22日
月の便り

マテリアリティは特定できましたか?

 

 

 

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

今回はサステナブルCSRレターに私が書いた記事を紹介します。
ただ一つお断りしておかなくてはいけないのは、記事の中で紹介している
セミナーは、ご好評につき既に満席となっています。秋以降また別の機会
にも開催することを検討していますので、ご興味があるときにはそのとき
にご参加ください。

しかしマテリアリティの特定は、G4への対応だけでなく、
「本物のCSR」を推進するために非常に重要な課題
です。
ですので、ぜひ本質的な方法で、本当のマテリアリティを見つけて
いただきたいと思います。

セミナーには参加できないけれど、マテリアリティの特定のし方に興味
があるという方はマテリアリティ分析サービスをご覧ください

《月の便り》

マテリアリティは特定できましたか?

サステナビリティプラナー  足立直樹

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。今日の新月にあわせ
て旬のCSRの話題をお伝えいたします。

6月も終わりが近づき、サステナビリティレポートがちらほら発行さ
れ始めているようですね。今年のサステナビリティレポートの見所は、
なんと言っても各社がマテリアリティ、つまり自社にとって重要な課題
を何と考えているか
でしょう。

CSRご担当の方はもう先刻ご承知だと思いますが、念のためにここで
もう一度、背景を確認しておきましょう。ことの起こりは、日本企業も
多く参照しているグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)が
昨年2013年に発表したガイドラインの第4版、いわゆるG4です。

これまで使われてきたガイドラインの第3版のG3やG3.1では、どちら
かというと情報を網羅的に開示することが求められていました。しかし
新しいガイドラインのG4では、報告する企業にとって重要と考えられる
課題=マテリアリティについて詳しく報告することが求められているの
です。メリハリの効いた報告にしましょうということです。

ただし、です。報告側が勝手に「これが私たちが考えるマテリアリテ
ィです」と言っても恣意的になってしまうかもしれません。そのような
意図はないにしても、見落としがあるかもしれません。なので同時に、
なぜそれをマテリアリティだと特定したのか、その理由や、特定プロセ
スも報告する
ことになっています。

日本企業はこれまで網羅的で詳しい、つまり分厚いレポートを発行し
てきました。日本企業の「真面目さ」のなせる技だと思う半面、「どこ
の企業のレポートも似たりよったり」とか、「結局、何が大切なの?」
という声も聞かれました。「これからもこのままでいいのか?」、そう
悩んでいたCSR担当者の方々にとっても、G4の方針転換は福音だった
のではないかと思います。

こんな決め方をしていませんか?

一方で、自社のマテリアリティをどう決定するかは、なかなかの難問
です。私のところにもいろいろな企業からご相談をいただきますし、マ
テリアリティを特定したいのでアンケートに答えて欲しいとか、インタ
ビューさせてくれ、というご依頼をいただきます。

なので、ご依頼をいただくと、資料を拝見しながら頭を絞って考える
のですが… 本当にこういうやり方でいいのかな、と悩んでしまうこと
も少なくありません。というのも、私がその会社の事業について知って
いることはごく断片的なわけです。もちろん、全体像を掴みやすいよう
にと、その会社の方がいろいろと資料をご用意くださるのですが、資料
を準備してくださった方が重要視していないことについての資料は当然
含まれません。つまり、そもそも情報に選択バイアスがあるわけです。

さらに、G4はサプライチェーン(調達網)についても情報開示するこ
とを求めていますが、サプライチェーンにおける影響まで考えるとなる
と、圧倒的に情報が不足しています。「そこをなんとかするのが専門家
だろう」と怒られそうですが、一般的な議論や推論はできても、その会
社の固有の事情まではわかりません。これはどんなに博識な専門家や有
識者を集めたところで、同じことです。

海外の先進企業は…

では、一体どうしたらいいのでしょうか? 少なくとも環境面につい
ては、一つかなり有効で確実な方法があります。環境影響を定量化すれ
ばいいのです。サプライチェーン全体にわたって定量化すれば理想的
す。気候変動への影響と生物多様性への影響のように、性質がかなり異
なるものもありますが、統合評価をすることで比較可能になります。

それでマテリアリティがきちんと特定できるのか? と疑問に思われ
る方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にやってみるとかなり明確
な傾向がわかりますし、定性的な推論をするだけよりはるかに説得力が
あります。

なので、こうした手法や、先進企業がこれをどう活用しているかにつ
いて、もっと多くの企業の方に知っていただきたい思い、7月末にこれ
についてのセミナーを開催することにしました。ご興味のある方は、以
下のお知らせをご覧ください。

GRIは、GRIのガイドラインを参照する企業に対して、2015年までに
はG4に切り替えるように求めています。今年、そして来年には、マテリ
アリティを的確に特定した素晴らしいレポートが、日本からもたくさん
発行されることを楽しみにしています。

初出:2014年6月27日発行 サステナブルCSRレター No.183

*マテリアリティの特定に興味のある方はマテリアリティ分析サービスをご覧ください。*

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