2014年7月10日
生物多様性

鰻はどうする? 結論です。

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

週末にスーパーに買い物に行ったら、
「うなぎ」という大きな文字をいくつも見かけました。

結局今年も、丑の日が近付いて来るとこうなるんですねぇ。
ちょっと溜息が出てきます。

少し前に書いたエントリー
ウナギは食べてもいいの?」や
本物のCSRから見たウナギ」で、
そしてそれに続くいくつかの関連エントリーで、
ウナギを巡る問題や、
どのような解決方法があるかにご紹介しました。

「でも、結局どうしたらいいの?」
という声も聞こえてきそうですので、
もう一度結論だけをまとめておきたいと思います。

結論です。ウナギは…

これからウナギを食べたい、
子どもや孫たちにも、おいしいこのウナギを伝えたい。

もし、あなたがそのようにお考えになる
「ウナギ関係者」であれば、
おすすめるする結論はこうです。

スーパーやお弁当屋さんで、
安いウナギを売るのはもう止しましょう。

持続可能であることを自信をもって
示せるようなウナギだけを扱うようにしましょう。

現状は、天然でも養殖でも、
持続可能であることをきちんと証明できるようなウナギは
存在しません。(少なくとも国内には)

ですので、
なるべく早く認証を取得したウナギが流通するよう
ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思います。

もちろん認証を取得するまでは少し時間がかかると思います。
養殖ウナギについてはまだ基準もありませんので、
基準の整備から始める必要があります。

なので、まずは稚魚を採集する際に、
その地域の資源量を減らさないように注意することが必要です。

科学的な調査とデータをもとに、
適切な漁獲制限が必要です。

一時的には供給量は減るでしょう。
しかし、今それをしなくては、永遠にウナギを食べることが
できなくなってしまう可能性が高いのです。

資源量が回復するまでは、
かなり思い切った漁獲制限が必要になるかもしれません。
「それでは生活できない」という漁業者の声も出てくる
かもしれません。

だったら、資源量が回復するまでの期間限定で
補助金を付けてもいいと思います。
この先、ウナギの資源量が回復することを考えたら
それは十分に見合う投資になるでしょう。

そういう努力をしないで、
世界中から代替のウナギ(もどき)を集めてくるような行為は、
私は「無責任」だと思います。

既に日本はそうやって世界各地のウナギを食い荒らして来たのです。
知恵も資源もある企業が、
そんなことを繰り返すことはもはや許されません。

そのようなことを続ける会社があるとすれば、
それは私利私欲のために人類の公共財である自然資本を食い潰す
無責任な企業
とレッテルを張られても反論はできないでしょう。

消費者はどうすればいいの?

では、一般の市民は、
鰻愛好家はどうしたらいいのでしょうか?

あなたが本当に鰻が好きなのであれば、
スーパーやお弁当屋さんの安い鰻には手を出さないこと
です。

どうしても鰻を食べたいときには、
ちょっと奮発して、
鰻専門店に出かけて、
ちゃんとした鰻をいただく。
それが鰻好きの矜持というものです。

値段は高くなってしまうでしょうが、
本当においしい鰻を楽しめるはずです。
そして、たまーに食べるぐらいにした方が、
ウナギの資源量に負担をかけずに済みます。

さらにできれば、
自分たちが安心できるように、
持続可能なウナギを材料を使うように、
お店にお願いできれば最高
です。

もちろんスーパーやお弁当屋さんでも、
持続可能であることを証明できるウナギを
扱っているのであれば、問題はありません。

しかし、そうなるまでには時間がかかるでしょうし、
価格的にも、しばらくは取り扱いが難しくなるでしょう。

なので、基本的には、
きちんとしたウナギを扱う専門店に行かれることを
お勧めします。

また、もう一つトリビアを申し上げれば、
鰻は冬の方が脂がのっていて、身が柔らかく、おいしいのです。

つまり、鰻の本当の旬は冬なのだそうです。

「土用の丑」と聞くと、私たちは無条件に「鰻!」と
反応するようになっていますが、
実はこれは平賀源内が鰻屋に頼まれて、
鰻の売上が落ちる夏にも売れるように作った宣伝
だという説もあります。

たしかに土用の丑に鰻が食べたくなる気持ちは分かりますが、
どうせだったらおいしい時期に、
並んだりせずにゆっくりと、
ふっくらした鰻を楽しむのが乙というものです。

さぁ、まもなく街中に「うなぎ」のノボリが
目立つようになりますが…

あなたはどうしますか?

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