こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。
今日の記事も、「サステナブルCSRレター」の最近の記事からをご紹介します。
「サステナブルCSRレター」では、CSRにまつわる様々なビジネスケースをご紹介するために、「CSRファイル」という連載を始めています。
このシリーズは、レスポンスアビリティのスタッフが交代で執筆いたしますが、第一回は武末克久が「森林を破壊しない服」についてご紹介します。
世界のトップ企業は、ここまで考えている、いや、考えざるを得なくなっているのですね。
《CSRファイル》#001
「森林を破壊しない服」
レスポンスアビリティ 武末克久
はじめまして。レスポンスアビリティの武末克久です。これから他の
スタッフと分担して、CSR関連の注目情報をご紹介していきます。どう
ぞよろしくお願いいたします。今回ご紹介する話題は、森林を破壊しな
い(!)服です。
森林破壊には加担しない。そう宣言し、実践する世界ブランドがまた
増えました。
2014年4月、H&MとZARAのブランドで知られるInditexの2社が、
森林保全を目的に、服に使われるレーヨンの原料から消失の危機にある
自然林などの貴重な森林由来の木質繊維を排除することを宣言したので
す。H&Mはトレーサビリティを確認して、可能な限り3年以内にこの目
標を達成するとしています。
レーヨンと森林にどのような関係があるの? と思われる方もいらっし
ゃるかもしれませんが、実は人造繊維のレーヨンは木質繊維を化学的に
加工してつくられています。
ファッション業界では、2013年の10月にアウトドア・スポーツウェ
アメーカーのパタゴニアなどがカナダの環境NGOと協働で
“FashionLoved by Forest”というイニシアティブを開始しました。こ
のイニシアティブは、世界の貴重な森林生態系の保全と、ファッション
業界と森林の関わりについての認知を高めることを目的としています。
今回のH&MとInditexの宣言はこのイニシアティブに賛同したもので
す。
これまでNGOは紙・木材やパーム油の調達に関して、企業に生物多様
性に配慮するように要求する大々的なキャンペーンを行ってきました
が、森林破壊の原因となっている原材料は、もちろんこれらだけではあ
りません。大豆、サトウキビ、牛肉… 多くの農畜産物の生産が森林破壊
の原因になっているとして問題視されています。
生物多様性の保全や気候変動に対して企業の責任が強く求められる
中、森林破壊につながるようなやり方で製品を製造し続けるのは大きな
リスクになります。
そのため、木や農作物を原材料として使用する製品を製造、販売する
場合は、その原材料が森林破壊に関与していないことを確認すること、
もし森林破壊に関係しているようであれば必要な手だてを講じることが
企業の責任として求められるようになってきました。
実際に、多くの先進企業が「森林破壊ネットゼロ」への取り組みを既
に開始しています。
あなたの会社はいつから始めますか?
参照:Fashion Loved by Forestのウェブページ
http://canopystyle.org/
初出:2014年5月23日発行 サステナブルCSRレター No.178
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。