2015年7月25日
月の便り

未来を見通す方法、教えます

forward-412761

 「なぜCSRをするのか?」 そう聞かれたら、あなだったら何と答えるでしょうか?

 「それが責任だから」 なるほど、そうに違いありません。なにしろCSRのRはresponsibilityですからね。

 でも、それではあまりに受け身ですよね。責任だったらしなくていいのか? 責任とはどこまでなのか? じゃあ、その最小限の範囲まですればいいよね。そんなことを考えてばかりいても、ちょっと虚しい気がします。

 あるいは、「NGOや消費者から批判を受けたり、マーケットから締め出されないようにするため…」でしょうか?

 たしかにそういう面もあるかもしれません。しかし、これも言ってみれば、ソフトローで求められていることや、時代が企業に最低限求めることをしていれば、批判を受けるようなことにはならないはずです。

 「じゃあ、結局なんのためなの?」と結論を急ぐ声が聞こえてきそうですが…。

 結論から言えば、CSRの目的はいろいろです。いろいろであっていいと思います。

責任以外の理由は…?

 まずは責任だからでも、レピュテーションリスクを管理するからということでもいいでしょう。それが一番必要性を感じることかもしれませんし、だったらそこから始めるのでもいいと思います。

 ただ、「それだけだ」と思ってしまうともったいないのです。せっかくお金も手間もかけてCSRをするのであれば、もっと積極的な意味合いを持たせた方がいいのではないか、ということです。

 そして実際、CSRには非常にいろいろな意味、意義があり、きちんとすれば事業に直接役立つのです。その中でも、今回ご紹介する視点は案外見落とされているのではないかと思います。こうした視点を意識することで、CSRが有意義に進められるのはもちろん、本業にも圧倒的に役に立つようになるからです。

 その一例として、CSRを未来を見通す方法として使う方法をご紹介しましょう。昨年12月のエコプロ展のときに私が感じたことをメルマガに書いた記事です。

《月の便り》

「CSRは必然的な未来への備え」

            サステナビリティプランナー 足立直樹

 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。各地から大雪のニュースが届いていますが、皆様のところは大丈夫でしょうか? もちろんそういう季節だからということもあるのですが、北海道の大荒れの天気のことなどを聞くと、単純にそれだけではないようにも思います。これからの天気にご注意いただくと同時に、これから気象災害にどう備えるのか、この機会に長期的な対策も考えてみてはどうでしょうか。

 というのも、最近は年に数度はこの場でこうした異常気象について書くようになって来ているからです。体感的には異常気象の頻度が上がってきており、これはまさに気候が変化しつつあり、私たちがそれに適応を迫られているということだと思うからです。そしてこのことに気がつけば、「気候変動」は単なる「CSRの課題」ではなく、現実の事業上のリスクだということがわかります。

 そうなると、「国や業界の目標が△△だから自分たちも△△を目指そう」ではなく、「自社の事業をきちんと継続するために、○○を目指そう」と、目標の設定のしかたがまったく違ってくるでしょう。ルールや周りにあわせるための目標ではなく、必然性から考える目標になるからです。

どちらが売れるか?

 先週のエコプロでも同じようなことを感じました。「さぁエコプロだ」ということで、社内にある環境に配慮した技術や製品をかき集めたようなブースがある一方で、自分たちはこういう理由でこういう環境問題に取り組んでいるということが明確で、それに沿った技術や製品を展示しているブース。どちらがわかりやすいか、魅力的か、言うまでもないでしょう。

 そしてさらに注目したいのは、どちらの製品が「売れている」です。当然、後者の方がビジネス的にも成功しているわけです。

 もちろん、とても先進的な技術に関して言えば、実際にそれがビジネスとして開花するまでにはもう少し時間がかかるかもしれません。しかし、10年後にはその先見性が「売れる」製品になっているものと私は確信しています。

それは必然的な未来

 なぜなら、持続可能性の課題はいずれも、「必然的な未来」に関わるものだからです。異常気象の頻度が増える、規模が増える、こうしたことはもはや時間の問題であり、「必然的な未来」を反映していると言えるからです。

 水不足、生態系の劣化などもまったく同じです。このままだと「必然的な未来」になるこうした課題についてどう手を打つか。それが持続可能性の課題、CSRの課題なのです。なのでエコプロの展示を見ていると、この会社はそうした「必然的な未来」を見すえて今その課題に取り組んでいるのか、それともしかたなくCSRに取り組んでいるのか、その違いが浮かび上がってきます。

 「将来的にはいま使っている原料に頼れなくなるのはもう見えてます。だから今からこういう技術を研究しているんです」、あるメーカーの技術担当の方からそんな説明をお聞きしました。そういう話を聞くと、この会社は10年後も最先端を走っているんだろうな、そう感じるのです。

なるべくすぐにエコプロを売る方法

 しかしそうは言っても、せっかく開発したエコプロダクツが売れないと困りますよね。それについては、以下の「サスナビ!チャンネル」の動画で詳しくお話ししています。こちらも、ぜひご覧ください。

サスナビ! 281 環境配慮製品が売れない理由

サスナビ! 282 エコプロを売るためなぜコミュニケーションが必要なのか?

サスナビ! 283 エコプロにこそコミュニケーションが必要な理由

サスナビ! 284 エコプロダクツを売るもっとも効率的な方法とは?

初出:2014年12月18日発行 サステナブルCSRレター No.208

※メールマガジンをご購読いただくと、このような記事をタイム
リーにお読みいただけます。ご興味をお持ちの方は、ぜひ以下の
欄からお申し込みください。↓

「本物のCSR」情報メルマガ

初心者にもベテランにも役立つ
「本物のCSR」情報を無料でお届けします