2014年8月9日
本物のCSR

選ばれる理由を持っていますか?

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

昨日の記事「想いのある会社は…」では、信念があるアイスクリーム会社ベン&ジェリーズをご紹介しました。

もしかしたらあなたは、これはあまりに特殊な例だと思われたかもしれません。
「たしかに、美しい話ではあるけれど、みんながみんな、こんな会社になれるわけではない」、そう思われたかもしれませんね。

鈴木菜央さんの記事(※)によれば、実際、ベン&ジェリーズの創業者は、自社が「好き嫌いが別れる会社だと思います。嫌いな人もいるでしょう。でも、いいんです。」と言っています。さらには、自分たちが「100%のマーケットシェアを取ることは絶対ない」とも。最初からメインストリームは狙っていないのです。
※「バーモント州まで行って聞いてきました!ベン&ジェリーズ創業者 ジェリー・グリーンフィールドさんが語る、人を幸せにするヒッピー企業経営論

「いや、ちょっと待った。でも昨日の記事でおまえはこう言ったではないか、『あらゆる事業において、その業界のナンバー1だけが生き残り、それ以外の企業は淘汰されることになりかねない』と。」

はい、言いました。
でも、その前になんて書いてあったでしょうか?
「人の役に立ちたい」、
「社会をより良くしたい」という気持ちがなければそうなってしまうと…

なぜでしょうか?
それは、今のグローバル経済の中では、結局は価格競争になってしまうからです。
 

価格競争の先にあるもの

少しでも考えがある企業であれば、
価格競争に陥らないようにと気をつけているはずです。

「うちは高い技術があるから、大丈夫。」
「うちの製品は付加価値が高いから、
 コモディティにはならない。」

みながそう思いたがります。

しかし実際には…

「世界最先端」、
「ほかの会社には真似できない」、
そう思われていた多くの技術や製品が、
結局は真似され、
コモディティ化し、
価格競争の泥沼に陥ってきた
のではないでしょうか。

そしてもちろんそうなれば、
日本のような先進国の企業に勝ち目はありません
価格で勝負となれば、
労賃と物価が安い途上国が圧倒的に有利だからです。

つまり、形があるものは、
いつかは真似されるし、
そうなったら勝ち目はないのです。
 

価格競争を避けるには…

だとすれば、
差別化できる要因は、
形のないもの
なのではないでしょうか。

代表的なものはサービスでしょう。
コーヒーという飲み物だけが必要なのなら、
今や100円だせば、
コンビニでそこそこのレギュラーコーヒーが
飲めます。

チェーンのコーヒーショップでも、
200円ぐらいで飲めるお店はたくさんあります。
味もそう悪いわけではありません。

それでも、
店の雰囲気や、他の店とは違うスタッフの対応に惹かれて、
あるいはブランドかもしれませんが、
スターバックスのようなお店に通う人はたくさんいるのです。

さらには、
一杯500円とか、800円とかであっても、
「あのお店でコーヒーが飲みたいんだ」という場合もあるでしょう。

しかし、もしかしたらこうしたサービスも、
真似されたり、別の店のもっと良いサービスに凌駕されてしまうかもしれません。

それでは、
思いとか、信念とか、
そういうものがこめられた商品やサービスならどうでしょうか?

これはそう簡単には真似できません。
少なくともそのままコピーできるような性質のものではないでしょう。

たとえメッセージだけコピーしたところで、
底の浅さはすぐに見抜かれてしまいます。

信念はコピーできない

そう考えると、
想いや信念がこめられた商品やサービスは、
実はもっとも強力
なのかもしれません。

それに共感する人は、
その会社の熱狂的なファンになって、
値段の高さや多少の不便さはモノともしないでしょう。

いやときには、
値段が高かったり、若干不便だったりすることに、
むしろ楽しそうにブツブツ言ったりするものです。

障害は、ファンにとってはむしろ喜びになるのです(笑)

もちろんそれは、
万人向けの商品やサービスではなく、
メインストリームにはならないかもしれません。

それでも、
価格競争が優位の世界でも
けっして駆逐されることはないでしょう。

その思いや信念を貫く限りは、
必ず一定のシェアは維持できるはずです。

その会社から買う理由は何ですか?

なぜなら、
信念のない商品やサービスは、
より安いもの、より性能がいいもので代替できますが、
信念がこもった商品やサービスは、
それ以外のものではけっして置換えられない
からです。

会社の信念に共感して買っているお客さんは、
その会社から買いたいのです。

一方、信念などとは関係なく買っている製品やサービスは、
その会社から買う理由はない
のです。

価格が安いから、
性能が良かったから、
デザインが気に入ったから、
たまたまその会社から買っているに過ぎないのです。

どうでしょうか。
これでも、ベン&ジェリーズは特殊な例だと思われるでしょうか?

むしろ私は、
ベン&ジェリーズのようなやり方の方が、
多くの企業がこれから目指すあり方なのではないかと思います。

なぜなら、グローバルNo.1になれるのは業界で1社だけです。
そしてもちろん、No.1になれない会社の方が何百倍、何千倍、何万倍も多いからです。

ベン&ジェリーズのジェリーさんはこう言っています。

「商品をできるだけたくさん売るよりも、お客さんと共に、より良い社会をつくりたいと思っている」

アイスクリームはベン&ジェリーズしか食べない、とまでは言いませんが、ベン&ジェリーズとそれ以外のアイスクリームがあったら、私は断然ベン&ジェリーズを選びます。

あなたは、どんな会社から買いたいですか?

そして、

あなたの会社は、選ばれる理由を持っていますか? 
 
 
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