2014年6月24日
原材料調達

値上げラッシュはなぜ?

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

昨日はクロマグロを例に、
大きくなるまで待って獲った方が、
おいしくなったマグロを
量的にもたくさん獲れて、
1尾あたりの価格だけでなく
総水揚げ高も上がり、
消費者はいつまでもおいしいマグロを楽しめ、
事業者もより儲かるようになるし、
なにより将来にわたって事業が安泰になる
ということをお話ししました。

今日は、それは魚に限った特殊な例ではないか、
ということについてお話ししましょう。

こんなに値上げの嵐が!

ところで最近、原材料価格が高騰し、
様々な商品の価格が上がっていることは
あなたも新聞などでお読みになっていると
思います。

日経新聞は5月31日に
生活必需品に値上げの夏 食品・日用品各社、原料価格上昇で
と報じていますが、
この後、実際、出るは、出るは…
日経が6月に報じたものだけでもざっと以下の通りです。

・牛原皮、靴価格に影響(6/6)
・丸大食品、8月から10%値上げ ハムなど134品目(6/6)
・プリマハム、ハムなど平均10%値上げ(6/9)
・ユニクロ、初の値上げ 8月から5%、原料高転嫁 (6/10)
・良品計画が単価引き上げ 原料高に対応(6/10)
・カカオ豆、3年ぶり高値圏(6/12)
・ゴマ取引価格が上昇(6/18)
・食用ラード 2年7ヶ月ぶり(6/19)
・日本水産 練り製品32品目、9月1日から5〜16.7%値上げ(6/19)

円安でという解説も一部ありますし、
これまでのデフレ環境下では値上げしたくてもできなかったから
ということもあるかもしれません。

しかし、多くの原料で
実際に価格が現地価格やドル建てで上昇しているのです。

なぜ原料価格が上昇するのか?

原因は、
新興国での需要増大ということもありますが、
気候不順による不作によるものが少なくありません。

つまり、
これは単なる一時的な円安効果とか、
消費税増税の効果がじわじわ来ているとか、
そういうことではないのです。

世界的に見れば今後ますます人口は増加し、
また新興国での需要は旺盛になりますので、
原料は不足気味になります。

しかし、原料の生産は増えるどころか、
むしろ減る場合も増えているのです。

気候変動の影響もありますし、
淡水の不足土地の劣化など、
これまで持続不可能な原料生産を行なってきたツケ
である場合も少なくありません。

つまり、環境を破壊してきた結果、
質の高い原料を作ることが困難になってきたのです。
(最近はやりの言葉で言えば、
自然資本」を減らしたことが原因
言ってもいいでしょう。)

基本的にはこれからの時代は
原料が不足し、価格が高騰する傾向が続くと
考えて間違いはないでしょう。

実際、2000年以降、様々な原料価格が
平均すると100〜200%、場合によってはもっと上昇しています。

これからビジネスを続ける鍵は?

そういう環境の中で
どうやって質の高い原料を安定的に
しかも大きな価格変動の影響を受けずに調達するか。

これはすべての企業において
重要かつ深刻な課題
と言っていいでしょう。

これに対するキーワードが、
持続可能な調達」なのです。

今後も持続可能と考えられる原材料を
持続可能なやり方で生産してもらい、
それを調達する。

結局それが、
原料価格の大きな変動の影響を避け、
質の高い原料を必要な量だけ確保し、
利益を出し続けることを可能にするのです。

海外の先進企業は既にこうした状況に対応し、
持続可能な調達を推進し始めています。

それについては、また明日!

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