2014年8月28日
月の便り

なぜ頑張っている日本企業の評価が低いのか?

こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。

今日は私が日ごろ気になっていることをお話ししたいと思います。

それは、日本企業は環境やCSRにおいてとっても頑張っているのに、
それがあまり評価されない、ということです。

これはすごく残念、というか… 
毎日、環境やCSRで頑張っている身としては、悔しくないですか?

たしかに海外には、かなり頑張っている企業もあります。
なるほどこれは凄いな、と感心するようなところもあります。

それでも、全体的に見れば、日本企業はかなり頑張っているハズです。
だとすると、この評価は何なのか? 
この評価はなんとかできないのか?
となりますよね。

そう思ったら、ぜひ続きをどうぞ…

そうそう、文中にあるランキングは以下のものです。
Newsweek Green Rankings 2014
 
 
《月の便り》

日本企業の評価は不当に低い!?

           サステナビリティプランナー  足立直樹

 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。月もだいぶ細く
なってきました。今回は、私が旬のCSR情報をお伝えします。

 少し前になりますが、6月にニューズウィーク誌が発表した環境
に配慮した企業ランキング「Newsweek Green Rankings」はご
覧になったでしょうか?

 全世界で500社が選ばれているのですが、日本企業の数と順位
がちょっと気になりました。

 全体では37社の日本企業が選ばれているのですが、50位以内は
3社のみ、100位以内でも7社だけ
なのです。

 NTTドコモが5位と健闘している他は、案外順位が低いな、とい
うのが私の正直な感想です。

 「こんなに頑張っているのに、なぜ我が社が含まれていないの
か?」とか、「うちの順位がなんでこんなに悪いのか」、そう思わ
れた方もいらっしゃっるでしょう。

 日本企業の環境への取組みは世界的に見ても進んでいるはずなの
に、ちょっと意外に思われた方も多いのではないでしょうか。

 アメリカの雑誌のランキングなので、どうしてもアメリカ企業が
多くなってしまうのはしかたないとしても、他の類似の国際ランキ
ングでも、特に最近、日本企業の名前が少なくなったように思いま
す。

 一体どうしたことでしょうか? 気になって考えたのですが、思
い当たる理由が二つあります。

評価が低い理由

 一つは… 日本企業の情報が海外のステークホルダーに伝わって
いないという可能性です。

 「え、そんなはずはない。うちはちゃんと英語での情報発信もし
ているし…」と思われる企業の方も多いと思いますが、伝えること
と伝わることは別
なのです。

 自分たちでは情報発信しているつもりでも、それが必要な相手に
きちんと届いているのか、メッセージが正しく伝わっているか、そ
れが問題です。

 環境コミュニケーションはそう簡単ではありません。日本語で情
報発信してもなかなか届かないのに、海外のステークホルダーにき
ちんと正しく、そして印象深く届くためには、かなりの工夫が必要
です。

 「いや、伝えたいのは環境データだから」、「データは報告書や
webで開示しているから」とおっしゃる方も多いと思いますが、数
値でさえ、きちんと届いているかどうかは、実はかなり怪しいので
す。

 というのも、海外の調査会社の方とお話しをしたりしていると、
日本企業のデータがきちんと入手できていないということが結構あ
のです。

 もう一つ考えられるのは、日本企業と海外の企業の意識ギャップ
です。もっと端的に言えば、日本企業は国際的なアジェンダを理解
しているか?
ということです。

 例えば、前回「森林破壊ゼロが常識に!?」という記事で紹介した
ように、海外の企業は、日本企業よりもはるかに先を目標としてい
ることが最近よくあります。

 環境や持続可能性に関する目標設定の相場観が急速に高まってい
のです。国内だけを見渡して「まぁ、このぐらいで」と目標を設
定し、それを目指した活動をしていると、海外では評価が低くなっ
てしまう。そんな場合が増えているように思います。

 いずれが原因だとしても、私はとても残念だと思います。なぜな
ら、日本企業の実力はそんなものではないはずだからです。それが
発信にせよ、受信にせよ、コミュニケーションの問題で評価が下が
ってしまっているとすれば、それは本当にもったいないことです。

 環境やCSRへの取組みをしっかりやっている会社こそ、ぜひと
もコミュニケーションにも力を入れましょう。もちろん私たちもお
手伝いします。
 
 
 
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