お客様の声
野村浩一様
富士ゼロックス株式会社 CSR部企画推進グループ長
Q:お手伝いしているプロジェクトについて
レスポンスアビリティさんには、当社のCSR調達活動の推進をお手伝いいただいています。当社では2005年9月からCSR調達の取り組みを進めました。代表の足立直樹さんには、CSR調達が叫ばれるようになった背景や、推進にあたっての手順整理のアドバイスをしていただき、その上で当社が取り組むべき優先課題をまとめていただきました。
実際の展開にあたっては、当社の主力工場が中国にあることから、まずは中国から取り組みを進めることにしました。2006年2月には足立さんと一緒に中国に出かけ、製造子会社やサプライヤー様の現場を見てまわるとともに、現地の協働パートナーとして深セン当代社会観察研究所(ICO)所長の劉開明氏を紹介いただきました。
その後、ICOには現地の従業員教育やCSR調達勉強会をサポートいただくなど、数々の支援をいただき、レスポンスアビリティには当社がグローバル企業として取り組むべきCSR調達の方針や基準作りなどを支援いただく、という形でお手伝いいただいています。また、2006年6月から始めた、サプライヤー向けのCSR調達に関する勉強会では、企画をはじめ実際のファシリテーションに至るまで幅広くご支援いただいています。
※富士ゼロックス様のCSR調達の取り組みについてはこちらをご覧ください。→「取引先企業と学びあうCSR」
Q:当社をどう評価されていますか?
やはり「サステナビリティを真に実現しよう」という足立さんの志が大きな意味を持っていると思います。企業がCSRに取り組む中で、自社内のことに捉われて内向きになってしまい、独りよがりになってしまいがちです。ですから、社会に照らして客観的な立場からいただくアドバイスは、まさに企業経営に必要な視点だと思います。
ただし、普通のコンサルティング会社であれば言いっぱなしで終わってしまうこともありますが、足立さんは必ず解決のための方策や手がかりを提案してくれるんですね。サプライヤー様向けの勉強会でも「CSR調達という考え方を初めて知ったが、よく理解できた。また、何をどこまでやればいいのか、ということについても具体的にわかった」という声が上がっていました。単に志があるだけでなく、きちんと方向性や具体的な施策を示してくださるのがありがたいです。
Q:今後、どんなことを望まれますか?
当社は、CSR調達にサプライヤー様と一緒に取り組むことで、サプライヤーと共に成長していく、という考え方でCSR調達に取り組んでいます。こうした取り組みが社会から評価されるようになれば、世の中全体にCSR調達が広まっていくのではないかと思います。
こうした過程は「持続可能な社会を作る」というレスポンスアビリティのミッションを果たすことにつながっていくのではないかと思います。ぜひ、CSR調達において共にいい事例を積み重ねていって、社会も企業も持続可能になるようにしていきたいですね。
岡村幸代様
ミニストップ株式会社 CA推進室 環境推進担当 マネージャー
Q. お手伝いしているプロジェクトについて
ミニストップでは、フェアトレードの缶コーヒー「トップバリュ フェアトレードブラック無糖」を開発するなどフェアトレード商品の提供に取り組んでいます。当社の看板商品のひとつである「ベルギーチョコソフト」に使用しているチョコレートをフェアトレードによる調達を進めており、レスポンスアビリティさんにはこのプロジェクトをお手伝いいただいています。
昨今、食品の「安心安全」が特に注視されています。ミニストップでは「ベルギーチョコソフト」を題材に食品の安全性について、お客さまやNGOの方々を招いた社長座談会を2007年2月24日に開催しました(社長座談会2007『「チョコレートの安全性」を考える』、別窓表示、8.5MB)。この際に、チョコレートの原料であるカカオ豆の生産地では児童労働が少なからず発生していること、しかし複数の国や企業を経て商品化されているために、児童労働によるカカオ豆が使われているかどうかを確認できないことを伺いました。こうしたご意見を踏まえて生産・加工・販売・消費に関わる全ての人が安心できる商品の供給を目指して、フェアトレードによる調達を検討し、2008年1月25日からはドミニカ共和国産の児童労働のないフェアトレードのカカオ豆を使ったソフトクリームを一部店舗で試験的に販売します(注:2008年2月29日で販売終了)。
Q. 当社をどう評価されていますか?
こうした取り組みは、自社だけでもできないことはないと思います。しかし、組織の中だけで活動をしていると、外の世界が見えなくなり、視野狭窄になってしまいがちです。そんな場合、やはり社外の方のお力を借りることは有効だと思います。
レスポンスアビリティの足立直樹さんには、2007年4月ごろからご相談して、6月から今回のプロジェクトを正式に開始しました。足立さんのネットワークから社外の声を紹介いただけますし、CSR調達の第一人者として海外などの先進的な取り組みの情報を提供してくださるほか、私たちの考えを整理してナビゲートしていただいています。私達にとって専門的な知見からのアドバイザーというだけでなくファシリテーターでもあるんですね。ただの評論家ではなく「一緒にやりましょう」という姿勢が感じられるのがありがたいと思っています。
今回フェアトレードによる調達に取り組む際にも、当初社内では「ソフトクリーム売上の1%を寄付すればいいのではないか」という声もあったんです。でも、足立さんに「それで(児童労働)問題の根本的な解決につながるでしょうか」という問題提起をしていただいたことで、多方面からの検討をしたことによってより進んだ取り組みにつながったと思います。
これまで御社と約半年間おつきあいさせていただいて試験販売までこぎつくことができ、満足しています。
Q. 今後、どんなことを望まれますか?
情報提供を主とする第三者としての立場と、助言やファシリテーションを行う第二者としての立場を並行しながら、同志として一緒に取り組んでいただきたいと思います。
私達についていえば、社会から求められることがどんどん高度でスピードを求められているので、それに合わせて対応していく必要があります。特にお客さまは、賞味期限の問題や生産地など、食品の安全性のことに敏感になっています。
ただ、小売業は生活者のライフスタイルを支え、提案する業態であります。だからお客さまのニーズに合わせるだけでなく、お客さまを少しリードしていくことも重要だと考えています。店舗というリアルなコミュニケーションの場所から、お客さまに商品の向こう側にあるものを伝えることができると考えています。最近は原油高で小麦などの価格が上がったこともあり、これまで以上に「この商品はどこから来たんだろう?」ということを考える人が増えています。これをきっかけに、人権や環境などCSR調達の問題を意識していただくきっかけになるかもしれません。
こうした際にも、「アジアのCSR」という強みが活きてくると思います。当社は、フィリピンや今後も韓国にもフランチャイズ展開していますし、またアジアを主として各国から商品供給を行っています。日本企業の多くがアジア地域と深い結びつきを持っていると思います。今後も、御社の強みを活かして、会社と社会をよりよくするための素晴らしい提案をしてくださることに期待しています。
木内孝様
NPO法人フューチャー500 理事長
株式会社イースクエア 会長
NPO法人サステナビリティ日本フォーラム 会長
元 米国三菱電機 会長
現在の社会を長く続けることは出来ません。このような世界になった元はと云えば「自分さえ良ければ良い」という利己主義です。しかし、我々は未だに利己的な行動を続けています。如何に早く、今の社会の恐ろしさに気付き、目覚め、猛反省して行動するか。これが勝負の分かれ目ですが、我々の無神経、無関心が人類文明の持続の可能性を遠ざけています。
こうした現状の中、「自然の世界と人類の世界の違いを理解する事が出発点」とするレスポンスアビリティの考え方は非常に大切です。私達は「人類の世界」の論理が、のっぴきならない状態を引き起こしている事に気付かず、目の前の「自然の世界」と云うお手本に学ぼうとしていません。物事の本質は「自然の法則」にある、そのことを広く社会に伝えて欲しいと思います。
また、レスポンスアビリティはアジアのCSRにも力を入れていますね。急速な経済発展を続けるアジアの国々で、今後環境問題や労働問題などが深刻化することが予想されます。特にアジアと関連の深い日本企業のCSRは影響が大きいので、日本企業にCSRの役割を伝え、一緒に活動するレスポンスアビリティの事業には大きな意味があると考えます。
足立直樹さんは、現在の課題や対応策を人々に理解して貰う方法をご存知ですし、苦労を厭わないお人柄なので、お仕事の成果が目に見えて来ると思います。多くの方々の意識と行動を変え、日本だけではなく世界に必要な変化を生む切っ掛け造りをして下さると期待してます。