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【No.181】『自然資本が環境白書にも登場』

| 2014/06/12

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【No.181】 2014年06月12日
『自然資本が環境白書にも登場』
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 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。満月は明日ですが、一日早く、旬のCSRの話題をお届けします。

 前回ご紹介した『リスクにさらされている自然資本』の日本語概要ですが、たくさんの方々にお申し込みいただだき、ありがとうございました。お申し込みいただいた方々には、概要がもうお手元に届き、お読みいただいたかと思います。(未入手の方は、このメールの最後にあるリンクからお申し込みください)

 この概要をお読みいただくと、ビジネスや私たちの日々の生活が、どれだけ自然資本に負荷を与えているか、その大きさに驚かれたと思います。いくら「大切だ」と言っても、定量的に示されなければ本当の「大切さ」はわかりにくいですし、あるいは自社の売上や利益と比較可能な数値でなければ、切実な数字としては感じにくいでしょう。しかし、このレポートに示されているように、それがどのぐらいの大きさなのか、そしてそれが利益をどれだけ脅かすのかがわかれば、もうじっとしてはいれないはずです。まさにこれが、自然資本を可視化することの本当の意味(効果)なのです。

 先週6日に2014年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」(環境白書)が閣議決定されましたが、その中で自然資本が大きく取り上げられ、また外部不経済の具体的な大きさを測定した例として『リスクにさらされている自然資本』も紹介されています(p.89)。

 また、企業に求められる国際的な動きとして、IIRCが統合報告フレームワークで自然資本についての報告を求め、GRIもG4でサプライチェーンを通じた環境影響の報告を求めていることが紹介されています。これらはすべて自然資本の定量化とつながっているのです。

 また、個別企業が自然資本を考慮した経営を行なっている例としては、これまで私たちが何度もご紹介してきたスポーツウェアのPUMAの事例が紹介されています。かつては「外部不経済」として企業活動や市場が無視してきたことが、自然資本を定量化することでいよいよ内部化されるようになってきたと、環境省の方々もきっと感慨深く感じているのではないと想像します。

 そして私たちもまた、これまで日本の企業の方々にご紹介してきた自然資本の考え方や定量化の手法が、このように環境白書の中で大きく取り上げられるようになったことはとても嬉しいですし、日本でもこれからいよいよ本格的な活用が始まることに期待しています。

 自然資本の定量化を自社の経営にどう活かすかについては、これからも具体的にご紹介していきたいと思いますが、今回一つだけキーワードを挙げておきたいと思います。それは「インパクト比」です。

 『リスクにさらされている自然資本』の中でも具体的な値が紹介されていますが、これは自然資本に対する影響(外部不経済)を売上高で割った値です。この値が1よりも大きい事業は、自然資本を収奪するだけで、しかも使った分の価値すら創り出せていない赤字事業です。一方、この値が1よりも小さければ小さいほど、その事業は使った資本よりも大きな価値を生み出している事業であり、持続可能性も高いと予想されるのです。この値が、これからの自然資本経営の重要な指標になることでしょう。

 はたして、あなたの会社の事業のインパクト比はどうでしょうか? そんなことを考えながら、このレポートや今年の環境白書を読んでみてはいかがでしょうか。これからの課題が浮かび上がってくるはずです。