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【No.175】『スコープ3の真の目的は?』

| 2014/04/22

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【No.175】 2014年04月15日
『スコープ3の真の目的は?』』
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 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。また満月が巡ってきました。旬のCSRに関する話題をお届けしたいと思います。

 このメールマガジンをお読みのあなたのところにも、もしかしたらCDP(カーボンディスクロージャープロジェクト)から今年の調査への回答依頼が届いているかもしれませんね。

 そこで今回は、前回の巻頭言で最後に書いた「なぜスコープ3で報告するのか?」ということについてお話をしたいと思います。

 言うまでもなくスコープ3とは、自社による直接的、間接的な温室効果ガスの排出に加えて、サプライチェーンにおける排出量まで含めるという範囲(スコープ)の定義です。一昔前の環境管理であれば、自社の工場やオフィスで使用する電力、ガス、油の量を測定し、それに排出係数をかければ済んでいたわけですが、通勤、出張はもちろん、サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量もきちんと管理しなくてはいけなくなると、たしかにこれはかなり大変です。

 環境報告書のために社内の環境データをまとめるだけでも忙しいのに、これ以上手間がかかることは勘弁して欲しい。しかも、自社内だけならともかく、サプライヤーやさらにその先となると… そんな担当者の嘆きはよ〜く理解できます。たしかに大変です。

 しかし、スコープ3でGHG排出量を管理することで、企業にとっても明らかなメリットがいくつもあります。

 まず一つは、自社が環境マネジメントや持続可能性という重要な課題について積極的であることを機関投資家にアピールできることです。もちろんスコアが良いに越したことはありませんが、多少スコアが悪かったとしても、参加しないよりは良い印象を与えることはできます。

 そしてこれがもっとも重要なことですが、サプライチェーンの中でホットスポット(もっとも排出量が多いところ)を特定することにより、どこを改善するのが効果的かがわかるということです。サプライチェーン全体の競争力を向上させたり、将来のリスク要因をつぶすために、これは大きなことです。

 さらに、社内やサプライヤーの意識向上にも役立てることができます。なぜスコープ3での測定が必要なのか、また、その結果何がわかったのか。そうしたことを社内外にきちんと説明することにより、今後の改善がやりやすくなるでしょう。

 こうして整理してみてわかるのは、スコープ3による報告のメリットは、その結果をどれだけ活用するかにかかっているということです。つまり、報告することが目的ではなく、報告した後のデータの活用こそが真の目的だということです。前回ちらりと書いたのは、まさにこのことなのです。

 このように、目的を意識した上で取り組めば、スコープ3の報告は、労力をかけただけの、いやそれ以上の効果が期待できます。ぜひそうした意識をもって取り組んでいただければと思います。そして、具体的な進め方についてアドバイスや支援が必要な場合には、もちろん私たちがお手伝いをいたします。