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【No.173】『CSVから本物のCSRへ』

| 2014/03/17

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【No.173】 2014年3月17日
『CSVから本物のCSRへ』
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 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。昨夜の満月を、私は広島で見ました。平和公園の上の満月を見ながら、今の私たちの状況を先人たちはどのように思うのだろうと考えてしまいました。持続可能性もまた平和がなければ成り立ちません。すべての人が希望をもって暮らせる持続可能な社会を目指して、引き続き頑張りたいと思います。

 さて、今回取り上げたいのは、CSV(Creating Shared Value=共通可価値の創造)という考え方です。CSVは日本ではかなり好意的に受け入れられているようで、社会課題や環境課題にビジネスとして、つまり本気で取り組もうと考える企業が増えてきているようです。

 今までもよく言われてきた「本業を通じたCSR」を体現する動きとして、あるいはさらにそれを強化する動きとして、CSVのきちんとした事例が増えることは歓迎すべきことだと思います。

 その一方で、「CSRはもう古い」、「これからはCSRではなくCSVだ」という声も聞こえてくるようになって来たことにはいささか懸念しています。

 というのも、CSVはあくまで(欧州型の)CSRの一部であり、既存のCSRの内容を置換えられるようなものではないからです。もっと言えば、CSVはあくまでビジネス戦略であり、社会が企業に期待する役割から発している欧州型のCSRとは明らかに出発点が異なるのです。

 前回、現場でのリアルな体験が重要ということをお話ししました。CSRとCSVの違い、もっと根本的には欧州型のCSRとアメリカ型のCSR(そもそもアメリカではあまりCSRという言葉すらあまり使いませんが…)の違いなども、CSRの国際的な会合などに参加していれば、すぐに気が付くでしょう。

 それはさておき、同様の懸念を持つ専門家の方々も多いようで、先週13日に大阪で「広がる企業の人権・労働課題ーCSVはCSR課題を解決できるか」というシンポジウムが開催され、その席上で「CSRとCSVに関する原則」が発表されました。私はシンポジウムには参加できませんでしたが、原則に署名だけさせていただきました。

 詳細については現在ウェブサイトが準備されているところだそうですので、原則のポイントだけご紹介しましょう。

 1. CSRは企業のあらゆる事業活動において不可欠です。
 2. CSVはCSRの代替とはなりません。
 3. CSVはCSRを前提として進められるべきです。
 4. CSVが創り出そうとする「社会的価値」の検証と評価が必要です。

 冒頭にも書いたように、きちんとしたCSVが増えれば、それは社会にとって非常に好ましいことですが、その前提としてきちんとしたCSRも確保しなくてはいけないということです。

 私どもレスポンスアビリティでは「本物のCSR」という言葉を使って、社会にとってはもちろん、自社にとっても意味のあるCSRを推進する必要性を強調し、またそのようなCSRの推進のお手伝いをしています。

 CSVが進むことには賛成ですが、それと同時にCSRを再考し、「本物のCSR」に腰を据えて取り組むことも忘れないようにしていただきたいと思います。なぜなら、それは必ずあなたの会社を良くすることにつながるからです。