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【No.172】『リアルな体験も忘れずに』

| 2014/03/03

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【No.172】 2014年3月3日
『リアルな体験も忘れずに』
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 こんにちは、レスポンスアビリティの足立です。土曜日が新月でしたので、週明けの今日、旬のCSRの話題をお届けいたします。

 前回のメールマガジンを出す直前の2月17日に東京で、環境省などの主催で「自然資本と企業・自治体経営」という国際シンポジウムが開催されました。かなり専門的なテーマであったにも関わらず、企業を中心に300名近い参加者があり盛況でした。読者の中にも参加された方がいらっしゃるかもしれませんね。

 私は最後のパネルディスカッションに登壇しました。本当は、日本企業が自然資本という考え方や自然資本会計を経営にいかに活かしているかを紹介したいところだったのですが、残念ながらまだそうした例はほとんどありません。なので、私からは参加してくださった日本企業の方々に、自然資本会計が今後の企業経営にいかに役立つかをご紹介するに留まりました。

 一方、海外、特に欧州では企業も国も、自然資本という考え方を経営に盛り込み、またそのために自然資本会計の方法論や実践が急速に進んでいることが報告されました。

 私自身は一応この分野を専門としていますので、日ごろから情報収集に努めていますし、また、海外の仲間からもいろいろな話を聞きます。しかし、この一年のスピード感には正直ちょっと驚いています。

 何が彼らをここまで追い立てているのかと思うほど、次々に様々なプログラムや団体が作られ、ちょっとした「自然資本会計ブーム」と言ってもいいほどです。

 ますます広がる国内外の温度差に、このままで大丈夫なのかと危機感を感じるほどです。そして、なぜここまでにギャップが広がるのかと、不思議になります。

 原因の一つは情報が不足しているということなのかもしれませんが(そして、そういうことにならないように私たちがもっと頑張る必要があるということなのでしょうが…)、もう一つはリアルな体験の多寡なのかなと思います。

 単なる「情報」だけであれば、インターネットがこれだけ発達した今の時代、世界中どこにいても、ほぼ同じ情報に接することができます。言葉の壁もあるかもしれませんが、たいていの情報は英語ですから、頑張ればなんとかなるはずです。

 それよりむしろ、いろいろな会議やイベントに実際に参加して、そこにどんな人々が集まり、どんな勢いや様子で話をしているか、そういうことをリアルに感じる体験が圧倒的に違うのではないかと思うのです。

 情報を得るだけであれば、後から会議の結論を文書で読んだり、プレゼンテーションの資料をペラペラめくるだけでもこと足りるのでしょう。しかし、こうした動きの「勢い」や現場の熱気は、やはりその場にいないと感じにくいものです。まさに温度感なのですから。

 「極東」の島国としては辛いところですが、いやだからこそ、意識的にリアルな体験の機会を増やすことが重要なように思います。

 生物多様性条約の第12回締約国会議(COP12)は、10月にお隣の韓国で開催されます。それ以外にも、アジアでも案外いろいろな国際会議やイベントが開催されれています。ご自身が一番専門とする、あるいは興味をお持ちの話題について、まずは自分で参加してみることも、大切なのではないでしょうか。