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 このコーナーは、弊社の代表足立が「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」が発行するCSR担当者とCSR経営者のためのニュースレター「CSR monthly」に連載している「自然資本としての生物多様性」を転載したものです。自然資本とは何か?なぜ企業が自然資本を意識した経営をすべきかについて、わかりやすく解説いたします。原則として、毎週月曜日に記事を追加しています。「CSR monthly」にご興味がおありの方は、こちらをご覧ください。
 

自然資本「超」入門

#23: 自然資本会計の標準化がスタート

 
 前回は、自然資本会計が、国際統合報告 にはもちろん、GRIのG4に対応するためにも有用であることをお話しした。またそれより前の記事とも併せて、本連載の読者の方々は、自然資本会計が非常に役立つツールになり得ることをもう十分に ご理解していただけたことと思う。
 
 そして今、あなたはきっとこう思っているはずだ。「自然資本会計が役立つのはわかった。では、どうやって計算すればいいのか? どの方法に従えばいいのか?」 様々な方法が乱立する中、デファクトスタンダードになるであろう方法で計算したいと思うのは当然のことだろう。
 
 もしあなたがそう思っているのであれば、朗報がある。しかし、自然資本会計なんてまだ当分先の話と思っている方には、バッドニュースかもしれない。
 
 6 月 8 日、自然資本連合(Natural Capital Coalition、以下 NCC)が、経営判断と投資判断のために自然資本を評価する共通フレームワークである自然資本プロトコル(Natural Capital Protocol、以下 NCP)の開発スタートを発表したのだ。
 
NCC という団体名が出てきて、また新しい役者が増えたのかと嘆息している方もいるかもしれないが、安心して欲しい。これは、前回まで何度か登場したTEEBビジネス連合 (TEEB4BC) が、今年2014年1月に改名したものである。 説明の便宜上、前回までは古い名前としたまでだ。
 
 
鍵となる二つのコンソーシアム
 
 肝心の中味だが、このプロジェクトは二つのコンソーシアムから成り立つ。一つは、企業が経営判断と投資判断のために利用できる自然資本の共通フレームワークを作ることを目的にしたものである。ただし、新しいものをゼロから作るのではなく、既存の先発の手法をベースにして、それを補完して機能するものを作ることを目指している。
 
 このコンソーシアムは WBCSD(持続可能な開発のための経済人会議)がリードすることになっており、WBCSDが作ったCEV(企業のための生態系評価)をベースにするとしている。メンバーには、WRI(世界資源研究所)、WWF-US、CIなどのNGOに加えて、アクセンチュア、デロイト、PwC、 ERM、GIST Advisory などの企業も参加している。最後はあまり見かけない名前かもしれないが、TEEB の研究リーダーを務めたパヴァン・スクデフ氏が創立したコンサルティング会社である。
 
 もう一つ、IUCN(国際自然保護連合)がリードするコン ソーシアムは、フレームワークのパイロットテストを行うことを目的としており、FAO(国連食糧農業機関)、ケンブリッジ大学サステナビリティ・リーダーシップ研究所などに加えて、Trucost、アーンスト・アンド・ヤングなどの企業も参加している。
 
 このコンソーシアムは、プロトコルを産業セクターごとのガイドに翻訳すること、また世界中の企業が参加するパイロットテストのハブになることが期待されている。プロトコルは様々な産業セクターに適用可能であるが、パイロットの対象に選ばれたのは、食品・飲料とアパレルの2業種である。将来的には林業、水産業、エネルギー、鉱山、建設など、より多くのセ クターに拡大する予定だ。
 
 NCP プロジェクトには、上記の組織に加え、BSI(英国規 格協会)、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、 GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)、GNF(世 界自然基金)、ICAEW(英国勅許会計士協会)、IFAC(国際会 計士連盟)、NCD(自然資本宣言)、WAVES(生態系サービス価値評価プログラム)など、この分野で影響力のある組織が多く参加し、事業会社としてはコカ・コーラやアディダスなどが名を連ねている。既にメンバーは60組織を超えており、内部管理、報告、情報開示に利用できる実用的な自然資本会計の世界標準化が始まったと考えていいだろう。世界は本格的に動き始めているのだ。
 
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http://www.responseability.jp/pj/ncr
 
 

自然資本「超」入門

(初出 2014年8月5日)