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2023年 新春のご挨拶 from 足立直樹

おしらせ | 2023/01/01

 新年あけましておめでとうございます。

 癸卯(みずのとう)の癸は、ものごとの終わりと始まりを意味するそうです。卯は、ウサギという意味からも、また字の形が門を開いていることを連想させることからも、門が開いて飛び出すことを意味するということですので、今年はいよいよ新しいことが始まり、そして一気に成長する年であることを予感させます。

 昨年末はカナダで生物多様性条約のCOP15がようやく開催され、2年遅れで2030年に向けた生物多様性の世界目標「ネイチャー・ポジティブ」が採択されました。地球上の生物多様性にとって重要な意味をもつ目標の誕生ですが、それ以上に、これが私たちの文明にとっても大きな転換点になるものと期待しています。

 なぜなら、人間社会が生物多様性が生み出す自然の恵みによって支えられていることをようやく世界が認め、それを積極的に守り、そして回復させ、増やしていくことに合意したということだからです。

 最近では気候も自然という大きなシステムの一部として捉えるべきだとの機運が高まっており、自然を再生することで気候危機と生物多様性の危機の両方を同時に解決しようという声が大きくなっています。

 日本がこれまで大切にしてきた「自然と調和して生きる」という考え方が、日本よりもむしろ世界で注目されるようになって来たのです。

 そんな動きを自分たちでもさらに加速しようと考え、昨秋、弊社は定款を変更しました。新しい定款の一つの柱は、生物多様性を含む自然資本を保全し再生することや、それにつながるようなネイチャーポジティブなビジネスを支援することです。

 もう一つには、そうした各地の自然資本によって形作られてきた地域の食文化や、今のままでは環境負荷が大き過ぎる食を持続可能にすることを二つ目の柱にしました。つまり自然資本を増やし、また自然資本と強く結びついた食を応援するということです。生きものの命を大切にし、そのことで私たちの命を守っていくと言ってもいいでしょう。

 考えていることやっていることはこれまでとそう違わないのですが、より具体的になり、コミットは深まったと感じています。それは地域や自然との距離を短くして、より地を足で感じるように努めた自然な帰結であると感じています。

 皆様方も、いろいろと新しい計画を立てていらっしゃることと思います。飛躍の年である卯年、そうした新たな試みがどんどんと進展することを心からお祈りしています。

 2023年 癸卯 新春

 サステナブルブランド・プロデューサー
 足立直樹